吉川愛、相手役のラウールのギャップに安心感「天然な部分がある」と明かす 『ハニーレモンソーダ』インタビュー

　『りぼん』（集英社）で連載中の累計発行部数650万部を誇る大人気漫画『ハニーレモンソーダ』（村田真優氏原作）の実写映画が7月9日から公開する。中学時代に“石”と呼ばれていじめられていた少女・石森羽花が、“レモンソーダ男子”の三浦界に恋をすることで世界が変わっていく物語。胸キュン必至の青春ラブストーリーのヒロイン・羽花を演じる吉川愛が作品についての思いを語った。

自分とは真逆のヒロイン・羽花 意識したのは「“石”であること」

――本日はよろしくお願いします。まずは『りぼん』の超人気コミック『ハニーレモンソーダ』のヒロイン・羽花に抜擢されたときの感想から教えてください。

吉川愛（以下、吉川）：うれしいという気持ちと同時に、私に演じられるのかなという不安がありました。私自身はどちらかというと静かなタイプではなく、羽花ちゃんとは真逆の性格です。これまで演じてきた役柄もクールな性格や、男の子っぽいサバサバした子が多かったので、周囲からも「全然違うけど、できるの？」と心配されました。

――そんな真逆の羽花ちゃんに近づくためにどんなアプローチをされましたか。

吉川：羽花ちゃんは自分のことを存在感のない「石」だと思っています。ここは大事なポイントだとずっと意識していました。みんなと一緒に遊んでいる楽しい撮影のときでも「石」であることを頭の片隅に置いておくようにしていました。

――ずっと「石」を意識しているのって精神的に楽なことではないですよね。

吉川：演じているときはメンタルがきつくなることもありましたが、カットがかかればすぐに自分に戻れるので大丈夫でした（笑）。

――監督からは役柄についてなにかアドバイスはありましたか。

吉川： 「石」だと思っていることについて「見てわかる仕草がほしい」というお話がありました。人間って恥ずかしかったり照れたりすると耳たぶを触るという癖が出るらしいので、最初に提案したんですが、ちょっと違うなと。どうしようと悩んでいるときに、私の手がぎゅっと握られた形になっていたんです。「それでいいじゃん。人間は何かをつかみたくなるような衝動がある。それでいこう」と。キャラクターに癖をつけるというアイデアってすごくいいなって思いました。

撮影中に気づいたラウールの無邪気な素顔

――相手役の三浦界くんを演じたラウールさんについてもお聞きしたいです。共演前と共演後の印象の違いはありましたか。

吉川：実は共演する前はクールな印象で、話しかけにくいんじゃないかなって思っていたんです（笑）。でも共演してみたら全然違いました。実は人見知りで、全く目が合わなかったり、天然な部分があったり（笑）。ときには、小学生みたいな部分もありました。カメラが回っていない時には、いろんな素の部分が見えて安心したし、うれしかったです。

――小学生のような部分とは？

吉川：海での撮影が楽しかったみたいです。みんなで一斉に海に飛び込んだり、スイカ割りをするシーンがあったんですが、本気ではしゃいでいて、多分、一番楽しんでいたんじゃないかなと思います。

――可愛いですね（笑）。座長として頼れる部分はありましたか。

吉川：三浦界になったときですね。カメラが回ってないときはケラケラ笑いながら話をしているんですが、いざ撮影が始まると一瞬にしてカッコよすぎる界くんになります。プロだな、さすが座長という感じでした。

――今回の作品を通して新しい体験はありましたか。

吉川：私は、高校が通信制だったのであまり学校に行く機会がなかったんです。制服を着てみんなでお弁当を食べたり、海に行ったり、カフェに行ったりする体験ができたので楽しかったです。高校生活を本当に体験できたみたいな時間でした。

――ステキな時間だったんですね。最後にこれから映画館に足を運ぶみんなにメッセージをお願いします。

吉川：胸がキュンとするシーンはもちろんたくさんあります。でもそれだけじゃなくて友情もいっぱい描かれています。もしかすると想像している恋愛映画とは一味違うかもしれません。すごく感動するし、面白いし、自分も頑張ろうって思えるし。観終わった後にはものすごく晴れやかな気持ちになれます。たくさんの要素が詰まった青春ラブストーリーなので、友達や家族、たくさんの人と一緒に観ていただきたいです！

――ありがとうございます。公開を楽しみにしています！

取材・文：氏家裕子

写真：You Ishii

(c) 2021「ハニーレモンソーダ」製作委員会 （c）村田真優／集英社