7月は全身の骨や軟部組織(脂肪、筋肉、神経など)から発生する悪性腫瘍、肉腫(サルコーマ)の啓発月間。一見、馴染みのない病名だが、実は誰もが発症する可能性のある病気だ。
ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、28歳で骨肉腫と診断された看護師・ましゅーてぃーさんを取材した。
【映像】骨盤を半分除去したましゅーてぃーさん 壮絶な手術後のレントゲン図(画像あり)※2分ごろ~
「2010年の2月に骨盤に『骨肉腫』という骨のガンになりました。そのときに抗がん剤治療と右骨盤を除去する手術を受けて、半年入院したんです」(以下、ましゅーてぃーさん)
11年前、骨にできるガンである「骨肉腫」が発覚したましゅーてぃーさん。当時は看護学生として国家試験を控えていた。
「看護学生で2月でした。その2月に国家試験を受ける年だったんです。『骨肉腫』がどのような病気か、勉強はしていましたが、まさか自分がなるとは思っていなくて。主治医の先生にも私が看護学生であることは伝えていました。『看護学校に行っているんだったら、どんな病気かわかるよね』と言われて、もう診察で宣告されたときからちょっと泣いちゃって……。夜まで泣き続けました」
夢に向けて努力する中で、突然宣告された病気。国家試験は、なんとか気持ちを切り替えて臨み、無事合格した。しかし、看護師としてスタートを切る前に、病気との戦いが始まる。
すぐに抗がん剤治療が始まり、手術では腫瘍をとるため、骨盤の半分を切除。失った機能を補うために人工関節を入れたものの、その後、感染によって外すことになった。
右骨盤を除去したましゅーてぃーさん。右足はどのようになっているのだろうか。
「骨がないので、皮膚と中の肉だけでつながっています。人工関節を入れていたところは空洞になっていて、感染して除去して、菌に侵されていたところに抗生剤を入れた医療用セメントで隙間を埋めています。それがいまだに入ったままの状態で、それが悪さをすれば足の切断も考えないといけないのですが、なかなか踏み切れないでいます」
ましゅーてぃーさんは、自分の意思で動かせない右足を補助するため、外出時には大きな器具が必要だという。移動には松葉杖や車いすが欠かせない。それでも、夢だった看護師の仕事に挑戦した。
「ちょうど母が介護士として働く予定で、(職場には)母が最初に入ったのですが、そこの施設で看護師さんが辞めて不足していたんです。それで『うちに看護師がいるんだけど……』と母が仲介してくれて、そこで雇っていただくことになりました。ただちょっと去年転倒して右足の細くなっている骨を折ってしまったので、今はその施設で事務系の仕事をしています。私としても座り仕事の方が楽なので」
突然、人生の行方を大きく左右することになる「骨肉腫」という病気について、ましゅーてぃーさんは「できるだけ早く異変に気付いてほしい」と訴える。
「私は20代で発病しましたが、骨肉腫は10代の若い子の発病確率が多い病気。私がこの病気になって思ったのは、初めの症状は筋肉痛のような痛みなんです。若いときに筋肉痛って毎週起こるようなことだと思いますが、それが同じ部位で1カ月も治らないようなときは異常だと思ってください。筋肉痛で整形外科に受診すると、湿布を出されただけで、大きな検査を受けないまま終わるかもしれない。でも、治らなかったときはCT検査やMRI検査ができる病院に行って、検査してもらってください。発見が遅れると、若ければ若いほど(悪性腫瘍が)大きくなるのも早い。『おかしいな』と思ったら、筋肉痛で済まさず、骨肉腫という可能性も視野に入れてほしい。そのためにイベントなどで、骨肉腫の病気について発信をしています」
(ABEMA『ABEMAヒルズ』より)
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