(正真正銘の大一番が決定。寺山(写真左)と小林)

 昨年はチャンピオンが集結したトーナメントを開催し、今年も熱戦が続くRISEの女子部門が、いよいよ“格闘技の聖地”に進出する。

 9月12日の『RISE GIRLS POWER.5』。RISE女子単独としては初となる後楽園ホールでのビッグマッチ。6月30日の会見、女子部門のアンバサダーを務める神村エリカは「私の頃は新宿FACEでメインを取るのも大変だった」と感慨深げにコメントしていた。

 大会メインイベントも、すでに決定している。寺山日葵vs小林愛三だ。寺山はミニフライ級のチャンピオンで、小林はフライ級のベルトを持つ。階級を超えた王者対決だ。ミニフライ級は49kg、フライ級は52kgで、試合の体重は49.5kgとなる。

 小林にとってはいつも以上の減量となるが、こちらのほうがベスト体重に近いと言う。「やるべきことが明確にあるので大丈夫です」、さらに「練習、生活すべてにおいて曖昧さをなくすのが自分のテーマ。そこを乗り越えたい」とも。

 寺山は昨年のトーナメントで優勝、前戦ではAKARI相手に王座防衛を果たし絶好調と言える。小林についても以前から意識していたようだ。

「いつかやるだろうと思っていました。やりたいとも思っていました。メインにふさわしい試合をして勝って、国内最強を証明したい」

 小林もこの試合について「国内最強を証明したい。それに尽きます」と語っている。またRISEの伊藤隆代表は「勝ったほうが次のステップに」とコメント。RISE女子、あるいは立ち技格闘技女子の“顔”を決める闘いということだ。

 両者のファイトスタイルは対照的。前蹴りを武器に長い距離をコントロールする戦法に長けているのが寺山。小林は“突進型”で、気合いのこもったパワフルなラッシュが持ち味だ。寺山が階級が上の小林をもコントロールするか、小林が寺山の技術を呑み込むかという展開が予想される。ただ寺山もフィジカルトレーニングの成果を感じており、圧力負けしないことで別の様相が見えてくるかもしれない。

 加えて、RISEでは7.18大阪大会から50kg以下の試合ではグローブが6オンスから4オンスに。寺山が「子供用かと思った」というほど小さく、薄いグローブで、お互い「チャンスが生まれやすい」と言う。何のチャンスかと言えば、もちろん倒すチャンスだ。 

 神村は「キックボクシングでもあるんですが、RISEはRISE(というジャンル)だということを意識してほしい」と選手たちにメッセージを送っている。アグレッシブに、観客を魅了する闘いをしてほしいということだ。

 それができると見込まれたからこそ、寺山と小林が初の“聖地”女子大会のメインを任された。どちらが勝つかだけでなく、ジャンルの盛り上がりをかけた一戦でもある。

文・橋本宗洋

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