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 “MSN”。ブラジル代表のネイマール、アルゼンチン代表のリオネル・メッシ、ウルグアイ代表のルイス・スアレスという南米出身者3人で形成され、バルセロナ史上だけではなく、サッカー史において史上最高とも呼び声高い3トップの愛称だ。

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 メッシが中心選手として君臨していたバルセロナに、2013/14シーズンにコリンチャンスからネイマールが加入、2014/15シーズンにルイス・エンリケが新監督に就任すると、さらにリバプールからルイス・スアレスが加入した。

 当初は3人の共存が可能なのか危惧する声も上がったが、ルイス・エンリケ監督が3人を並べる“MSN“は大爆発。1年目は3人でチーム全体の74%にあたる81ゴールを叩き出してリーグ優勝を達成した。

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 6月14日からブラジルで開幕した「コパ・アメリカ2021」は予選グループ全試合を終え、決勝トーナメントに進出する8チームが決まった。ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイといった強豪国が順当に予選を突破し、7月3日から決勝トーナメントが始まる。

 サッカー王国・ブラジルの連覇か? アルゼンチンが悲願の優勝を果たすのか? ウルグアイが2強を打ち破るのか? 各国でエースとして君臨する“MSN”がどんなプレーを見せるかは、南米王者の行方を占う上で重要になる。

 ブラジルのエース、ネイマールの特徴と言えば何と言ってもドリブルだ。リズミカルでテクニックに優れ、観客を魅了するドリブルは相手にとって脅威を与える。たまらずファールで止められるシーンも多く、ディフェンスの強度が高くなっている現代サッカーにおいて、ネイマールがドリブルで1枚、2枚と“はがす”ことにより数的優位が生まれる。

 また、攻撃面はもちろん、守備でも最終ラインまで下がってディフェンスをするなど献身的な働きが目立っている。スポンサーから契約解除されるなどピッチの外でスキャンダルを起こし、批判を受けることも少なくなかった。コパ・アメリカで優勝に導いてブラジル国民の信頼を回復したいという思いもあるだろう。

 メッシは、“MSN”が躍動したシーズンを含め、バルセロナでは数多くのタイトルをチーム、個人共に獲得してきた。しかし、アルゼンチン代表としてはW杯、コパ・アメリカのどちらの大会でも最高成績は準優勝。決勝までは進むも、あと一歩のところでタイトルを逃してきた。2016年6月の南米選手権でチリにPK戦で敗れた後、代表引退も表明したが「自分の国への愛、代表チームへの愛が大きすぎた」と撤回した。

 メッシのプレーは異次元だ。自らドリブルで持ち込んで、1人でシュートまで持っていきゴールを決めてしまう。また、自らにマークが集中するのを利用し、決定的なアシストでゴールを演出する。今大会でも“戦術メッシ”と呼びたくなるような圧倒的な存在感を放っている。メッシが実力を発揮するほど、アルゼンチンが優勝する確率は高まっていく。

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 ウルグアイのエース、スアレスは2シーズン前「バルセロナのレベルにいない」と批判され、2020/21シーズンからバルセロナの新監督に就任したロナルド・クーマン監督からは「君は計画に入っていない」と戦力外通告を受けた。アトレティコ・マドリーに移籍し、再起を誓ったスアレスはリーグ戦32試合に出場し、21得点3アシストを記録。レアル・マドリードとバルセロナの2強を抑えてラ・リーガ優勝という結果を出して、自らの存在在値を証明した。優勝がかかった最終節では決勝弾を決めている。

 スアレスはゴール前での勝負強さがあり、得点感覚に優れ、周りに生かされて力を発揮するタイプだ。34歳と同い年で、誕生日も21日しか違わないエディソン・カバーニとの最強2トップは、ウルグアイ攻撃を牽引している。コパ・アメリカ最多15回の優勝を誇るウルグアイも虎視眈々と優勝を狙う。

 7月3日から決勝トーナメントが始まるコパ・アメリカ2021。 “MSN”が見せる人間離れしたプレーを、国を背負って優勝を目指す姿を、その目に焼き付けてほしい。

文・渡邉知晃

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【視聴する】3日(土)9時~ ブラジル・ネイマールが登場する準々決勝
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「ABEMA独占で『CONMEBOL コパ・アメリカ2021』を全試合独占生放送」
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