「風の読み方が天才的」 “勝者なき都議選”は小池都知事の一人勝ち? 麻生大臣の発言が“伏線”にも
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 4日に投開票が行われた都議選では、都民ファーストの会が議席を減らした一方、自民党が第1党に返り咲いた。

【映像】都議選、小池都知事の“一人勝ち”?

 127の議席は、自民党が最も多い33議席を獲得。僅差で第1党に返り咲いた。ついで都民ファーストの会が31、公明党が23、共産党が19、立憲民主党が15などとなった。都民ファーストの会は選挙前の46議席から15議席減らした一方、自民党と公明党は合わせて56議席で、目標としていた過半数に届かなかった。

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 今回の結果について、BuzzFeed Japan News副編集長の神庭亮介氏は「自民党は議席を増やして第1党に返り咲いたが、事実上の敗北に近い。実は1週間前の段階では50台もあり得るだろうというぐらい楽勝ムードが漂っていた。一方、都民ファーストの会は下手をすると1桁台に沈むのではないかと言われていたのに、ここまで盛り返した。勝者なき都議選と言われているが、唯一の勝者は小池都知事だと思っている。小池さんが終盤で潮目を変えた」との見方を示す。

 22日に過労で入院した小池都知事に対し、麻生財務大臣は25日の青梅市での応援演説で「自分でまいた種でしょうが」などと発言。小池都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会を「代表の国会議員がいないから(国に)話が通じない」と指摘し、「したがって自分でやる。過労で倒れた。そういう組織にしたんだから」と批判した。

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 一方、小池都知事は2日の復帰後の会見で「東京都にとって今ほど重要な時期はない。どこかでバタッと倒れているかもしれないが、それも本望だと思ってやりぬいていきたい」と述べた。

 神庭氏はこの2つの発言に注目し、「“自分でまいた種”発言によって、小池さんの熱烈な支持者以外にも『さすがにこれはないんじゃないの』と反発が広がった。この麻生さんの発言の伏線を回収するかのような形で、小池さんは会見で『倒れても本望』という非常に強い言葉を使った。これは各報道機関が見出しに取るだろうなと思っていたら、案の定そうなった。それぐらいインパクトのあるフレーズで、同情票が流れて潮目が変わった。都知事は非常に責任ある立場だし、コロナやオリンピックなど難題が山積しているわけで、体調に不安を抱えているのであれば、しっかり静養して副知事に職務代理を委ねるのが筋だ。精神論で突っ走ってリーダーの判断力が鈍るのは危うい。個人的にはそう思うが、『小池さんかわいそう』という判官贔屓の心理が、都民ファーストの会の終盤の巻き返しに寄与したことは否めないだろう」と分析する。

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 また、東京オリンピックに対する姿勢も明暗を分けたとし、「自民・公明は“五輪隠し”ではないが、公約で五輪について謳わなかった。五輪推進のスタンスにもかかわらず、賛否が分かれることを嫌ってわざわざ声高に訴えたりはしなかった。一方で都民ファーストの会は“最低でも無観客”という打ち出し方が、非常に上手だった。実際には無観客イコール開催だが、“最低でも”という言葉によって中止や延期も含むと解釈した人、五輪に対して『どうなの?』と思っている層を、ある程度取り込むことに成功したのではないか。何より小池さんの風の読み方が天才的だなと。静養して出てこないと思いきや、最終盤で記者会見して『倒れても本望』だと、一気に風向きを変えてみせる。またしても“小池劇場”が繰り広げられた都議選だった」とした。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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