コロナ治療薬で注目「抗体カクテル療法」とは? “2種類の抗体”で入院&死亡リスクが約70%減少
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 「抗体カクテル療法」と呼ばれる新型コロナウイルスの治療法が注目されている。

【映像】新型コロナ治療薬 国内初「抗体カクテル」の中身

 中外製薬が承認申請をした抗体カクテル療法は「カシリビマブ」と「イムデビマブ」を同時投与することで、2種類の抗体が作用して新型コロナウイルスの働きを抑えるものだ。アメリカでは、去年11月にFDA(食品医薬品局)から緊急時の使用が許可されていて、トランプ前大統領が入院した際にも投与された。中外製薬は「海外で行われた治験では、入院や死亡のリスクを約70%減らす効果が確認された」と明かしている。

コロナ治療薬で注目「抗体カクテル療法」とは? “2種類の抗体”で入院&死亡リスクが約70%減少
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 抗体カクテル療法はこれまで承認された新型コロナの治療薬と何が違うのだろうか。日本初の個人向け大規模遺伝子検査・解析サービスを手がけるGenequest(ジーンクエスト)の代表取締役・高橋祥子氏は「治療薬を作るとき、スピード重視で作る場合と、時間をかけて長期の有効性を持つ治療薬を開発する場合がある」と語る。

「今回の抗体カクテル療法は、後者の方針で作られたもの。ウイルスの配列由来で結合する中和抗体や、新型コロナから回復した患者から得られる中和抗体を大量に作り、検証を重ねて、お互いを阻害しない相性がいい2種類の抗体を選んで作っている」

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 高橋氏は「2種類の抗体を混ぜることで、相乗効果があるわけではない」とした上で「抗体カクテル療法は、流行している変異株にも効果があると、海外の治験で証明された。今後、新しい変異株が出てきても、長期的に有効性が高い治療薬になるだろう」と期待を示す。

 厚生労働省は7月19日に承認可否を判断するとしていて、承認されれば、新型コロナウイルスの治療薬として「レムデシビル」「デキサメタゾン」「バリシチニブ」に続いて4例目になる。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

【映像】効果は? コロナ治療薬、国内で「抗体カクテル」承認申請
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