至近距離で殴り合う、倒すか倒されるかの攻防に終止符を打った強烈な右フック。その衝撃から首がグニャリと曲がったまま横に崩れ落ち、硬直気味に失神する壮絶なダウンシーンに解説席から「やばっ、大丈夫?」と驚きと心配の声があがった。
7月18日にエディオンアリーナ大阪・第一競技場で開催された「RISE WORLD SERIES 2021 OSAKA」。平野凌我(MTS)とYU-YA(魁塾)の一戦は、1ラウンド後半の打撃戦を制した平野が圧巻のKO勝利。試合後のチャラすぎる勝利アピールにも注目が集まった。
ギラギラとオラついた雰囲気を持つ両者の対決。大阪出身のYU-YAはRKSライト級、double clutchライト級と関西で2つの王者という実績をひっさげての参戦となる。一方、平野も中国の格闘技イベント「英雄伝説」のアジアトーナメント3位の実力者。入場コスチュームにデカデカと出身地の「岡山県」を全面に打ち出す。前回のRISE参戦では門口佳佑に判定負け、この試合を浮上のきっかけにしたいところだ。
開始早々、平野が荒々しくミドルを数発打ち込み、さらにヒザを連打。これは「掴み」と判断されて反則警告。再開後、YU-YAも前に出てスーパーマンパンチぎみの左などで反撃にでるが、平野も強打で応戦し、至近距離でバチバチ殴り合う展開に。
平野のボディへの前蹴りは効果的、返すYU-YAも強い右フックと互いに譲らないが、平野の三日月蹴りがYU-YAのボディを何度も捉えると後退、明らかに効いている様子だ。
それでも前進するYU-YAに、平野のボディ狙いの三日月蹴りが続く。荒削りな攻防のなかでもコツコツと三日月を当てると、YU-YAの腹部に浮かび上がる蹴り跡が痛々しい。
ラウンド残り1分、やや押し込まれていたYU-YAも、平野をロープ際に追い込みボディ打ち、大きな軌道の右フックと反撃。しかし平野もすかさず三日月蹴りで動きを止めるが、負けじとYU-YAも前進し平野をコーナーに追い詰める。ややダメージで攻撃に精彩を欠くYU-YAだが、リング中央で手負いの左ストレート。これが効いた平野はグラつきながら相手を背にするが、すぐに立て直し左で応戦。追い打ち勝負に出たYU-YAの左に、平野が渾身の右フック。横からガクリと崩れ落ちたYU-YAは硬直気味に失神した。その瞬間、解説席から「やばっ、大丈夫?」と声があがるほどの衝撃KOだった。
ロープを背負った殴り合いからの壮絶なKOによる幕切れ、だらりと手が伸びたままピクリと動かないYU-YAにドクターや医療スタッフが駆け寄って取り囲むと、まもなく担架が用意された。
スローリプレイでは、パンチの衝撃で首が持っていかれたまま横向きに硬直ダウンする場面が映し出され、試合を中継したABEMAのコメント欄も騒然。「首の曲がり方がやばくないか?」「大丈夫か?」「頭からいってる…」「頭を打ったのが怖い」と心配する声が寄せられた。
一方、殴り合いの激戦を制した平野は雄叫びをあげ、ラウンドガール2人の肩を抱きニッコリ。この態度に解説を務めた神村エリカが「ちょっとチャラい」と不満げに苦言を呈すると、ゲスト解説の福井セリナが「勝ったからしょうがないか…」とフォローする場面も。
チャラさとは裏腹にマイクをとった平野は関係者への感謝の言葉を語りつつ「本当にRISEのベルトだけが欲しくて…今は格闘技を頑張っているので。もっと強くなるので僕のこと忘れないで。絶対チャンピオンになります」と爽やかアピール。リングインのオラつきから一転「喋りはいいやつ」「意外と好青年」「オラついてなくて好印象」とそのギャップに魅力を感じる声も寄せられていた。