開会式を目前に控えたタイミングでの関係者の辞退・辞任・解任、そして選手や関係者のバブルの“穴”や行動管理の問題など、課題山積の船出となった東京オリンピック・パラリンピック。相次ぐトラブルや懸念材料の発覚に、大会組織委員会の遂行能力を不安視する声も上がっている。
・【映像】開幕前日の解任劇!ドタバタ続きの迷走五輪〝仕切る〟組織委の役割と責任は?
報道対策アドバイザーの窪田順生氏は「官僚組織によくあるミスや混乱が見られる。例えば小山田圭吾さんの人選について、武藤敏郎事務総長が会見で“我々がひとりひとりを選んだわけではなかった”というようなことをおっしゃったが、現実がそうだったとしても、民間企業のトップであればそんなことは口が裂けても言わないはずだ。官僚の方が“我々は予算を獲得して分け与える。そこから先は丸投げしているので、不祥事とかそういったことまではよく分かりません”というような言い訳をすることがあるが、同様の発言がトップからポロッと出てしまう極めて官僚組織的であることで混乱が起きているのではないか」と話す。
「結局、霞が関の大きな事業が大手広告代理店などに丸投げされ、そこから再委託されていくという構造的な問題があると思う。発注元である役所としては、我々には問題はないし、その先で起きていることはよく分からないというのが官僚の方々の基本スタンスだ。組織委員会のメンバーの方々も、それぞれの世界では立派な方ではあるが、やはり特定分野の仲間、集団に声が掛けられているという指摘がある。辞任した佐々木宏さんもそうだが、立派な方々に頼んだから、後はこの方たちが責任を持ってやってくれるはずだという、丸投げ的な感じがある。
私は企業や団体の危機管理の仕事をしているのでワクチン事業で自治体の方の悩みを聞くことがあるが、官僚の方々は非常に優秀だし、現場の方々も一生懸命にやっている。それでも自治体や医療機関にしわ寄せが行ってしまっているというのは、インフラがきちんとできていないのではないか、ということになる。選手や関係者のバブルの問題についても同じようなことが言えるのではないかと感じる。
無観客開催になったことで3万人ものボランティアが宙ぶらりん状態になっている問題についても、わかりきっていたことだ。優秀な方々であれば、最悪の事態を想定してAプラン、Bプラン、Cプランを考えるはずだが、官僚組織の不祥事などの裏側を聞いていくと、最悪の事態を想定せず、ゴールに向かって工夫をすることだけに頭を絞ってやりがちだ」。
元JOC職員でスポーツコンサルタントの春日良一氏は「開閉会式は特別なものなので組織委員会が全てを担うということは難しい。だから信頼できるエージェントに任せること自体はOKだと思う。ただ、それで問題が何度も起きたということは、エージェントについての反省をしなくてはいけないのではないか。エージェントに対して反省や釈明をきちんと求めなければ、また同じことが繰り返されると思う」と指摘していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
■Pick Up
・キー局全落ち!“下剋上“西澤由夏アナの「意外すぎる人生」
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・「ABEMA NEWSチャンネル」知られざる番組制作の舞台裏