「言わぬが花」ということわざがあるように、言ってはならない言葉がある。アルコールの力で気が大きくなってしまう酒の席ではなおさらだ。周囲からどんなに煽られ、持ち上げられ、もてはやされても、自分の発する言葉には慎重になった方がいい。放った言葉の重みや責任は結局、自分自身で背負わなければならないのだから。

“絶対正義”は本当に正義?ロジカル・ハラスメントを生み出す温床捉えた『酒癖50』第3話
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【動画】ロジカル・ハラスメントを生み出す温床捉えた『酒癖50』第3話

 小出恵介が主演するABEMAオリジナルのドラマ『酒癖50』の第3話は「不寛容」をテーマにする。総務部の気弱な口山(犬飼貴丈)は酒を飲んだら一転、嫌われ者上司を趣味のラップで口撃する無礼講のエミネムと化す。ディスられてしまった上司が反省して態度を改めたことから、社員からはヒーローのようにあがめられていく。入社以来初めて人に求められる充実感と満足感を得た口山は自信を持ち、無礼講ラップをより先鋭化。その内容はハードなものとなり、触れてはいけない部分にまで手を伸ばしてしまう。

“絶対正義”は本当に正義?ロジカル・ハラスメントを生み出す温床捉えた『酒癖50』第3話

 嫌われ者上司も結局は巨大な組織の歯車の一つに過ぎない。嫌われ者にはそうならざるを得ない理由があり、管理職ならではの苦労や心労もあるだろう。しかし社会人経験や人生経験の浅い口山には、会社のからくりや社会の相関図全体を俯瞰し、把握することができなかった。社会のありようを理解していない口山は、周囲にもてはやされることで自分が必要とされていると勘違い。気弱な総務部として虐げられてきた歴史も長いだけに、その反動は思いのほか大きい。無礼講をいいことに、言いたい放題のアルコールラップ。放った言葉がどのような結果を生むのかを想像することもなく…。

“絶対正義”は本当に正義?ロジカル・ハラスメントを生み出す温床捉えた『酒癖50』第3話

 罪を負うべきは口山だけだろうか?無礼講ラップに溜飲を下げて、持ち上げる空気を作ったその他大勢の社員に責任はないのだろうか?自らの手は汚さず、口山を引っ張り出して矢面に立たせ、「もっとやれ!もっとやれ!」とアルコール代理戦争を影で楽しむその他大勢。正論を振りかざし、相手を知らないうちに追い詰めるロジカル・ハラスメントを生み出す温床はそこにありそうだ。

“絶対正義”は本当に正義?ロジカル・ハラスメントを生み出す温床捉えた『酒癖50』第3話

 ネットの世界も同様で、「いいね!」の数が絶対正義のようにまかり通り、匿名の「いいね!」に全能感を覚えて正義感が先鋭化することも多々ある。見方を変えれば悪意なのに、持ち上げられ、もてはやされ自分が正しいと思い込んでしまう誤った絶対正義感。持ち上げる側も、持ち上げられる側も、その行為が果たして良い未来を生むのかどうか一度立ち止まって考える必要がある。『酒癖50』で描かれる口山の暴走には、現代人が学ぶべき教訓が散りばめられている。

酒癖50 - 本編 - 3話 (ドラマ) | 無料動画・見逃し配信を見るなら | ABEMA
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犬飼貴丈インタビュー ドラマ『酒癖50』でラップに初挑戦!般若から太鼓判「フリースタイルに向いている」 【ABEMA TIMES】
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