
ABEMAオリジナルドキュメンタリー番組『普通の女子高生だったはずの私が 16才でママになって知ったことは、』(毎週火曜夜10:00~、ABEMA SPECIALチャンネルにて全5回)が、7月20日より放送された。恋愛番組『今日、好きになりました。』への参加をきっかけに、夫となる前田俊(以下、しゅん)と交際をスタートし、16歳で出産・結婚を決断した女子高生、重川茉弥(以下、まや)の素顔に迫る同番組。番組のナレーションを務めるのは、モデル、タレントとして活躍する近藤千尋。自身も2人の子供を育てるママである近藤に、番組の感想のほか、自身の子育ての経験談を語ってもらった。
▶動画:『普通の女子高生だったはずの私が 16才でママになって知ったことは、』第1話
出産前と後のまやの表情の変化に驚き「しっかりママになっている」
▲16歳でママになったまやの本音に迫る(『普通の女子高生だったはずの私が 16才でママになって知ったことは、』より)
――今回、ナレーションのオファーを受けたとき、まやちゃんの存在はご存じでしたか。
近藤千尋(以下、近藤): ネットニュースを見て、16歳でママになった子がいるということを知っている程度でした。オファーをいただいたことを機に、どういう経緯でお母さんになったのか調べて、まやちゃんのInstagramなども見ていましたね。
――Instagramには、交際中から妊娠期間、出産後までたくさんの写真が掲載されていますよね。ご覧になっていかがでしたか。
近藤: 子供が生まれる前と生まれた後ではまやちゃんの表情が変わっていて、しっかりママになっているなあと思いました。私の場合もそうだったんですが、普通はママになると無我夢中で疲れた感じになっちゃうんですよ。それをSNSでは感じさせずに毎日色んな投稿をしていてすごいなと思いました。
――密着をご覧になって共感した部分や驚いたことはありましたか。
近藤: まやちゃんが本当にしっかりしていて驚きました。30代の私でも、ヒーヒー言いながら家事と仕事と子育てをしています。まやちゃんは10代でありながら、学校と仕事と家事と育児を上手にこなしていますよね。
▲「まやを支えていく」夫・しゅんの覚悟(『普通の女子高生だったはずの私が 16才でママになって知ったことは、』より)
――印象に残っているシーンはありますか。
近藤: まやちゃんのお母さんやお友達が、「まやちゃんは頑張り屋さんだから、周りに吐き出さないけど、陰では辛い思いをしていた」と話していたシーンはうるっときちゃいました。まだ16歳なのに表に出さないで気丈にふるまうなんてすごいなあって。でもその一方で、「もっと甘えていいんだよ」と声をかけてあげたくなりましたね。
――夫のしゅんくんはどんな印象ですか。
近藤: 最初は、見た目の印象でイマドキのイケメンだなって思ったんですよ(笑)。でも実際はそれだけでなく真面目で誠実な子。まやちゃんのお母さんも絶賛していましたよね。お母さんが褒めているならば、本当に堅実な子だと思います。まやちゃんの旦那さんがしゅんくんでよかったなと思います。
――父親になる覚悟ができているように感じますよね。
近藤: 出産前後のまやちゃんのことを思い出して泣いている姿を見て、ピュアな19歳なのに、お父さんとしてしっかり頑張っているんだなあって思いました。様々な人生経験を経た30歳、40歳くらいの男性だったら、覚悟をする準備期間があるけど、まだまだ経験も少ない当時17歳。急に自分の子供ができて育てるのはすごいことですよ。これからもっと大変なことがあるかもしれないけど、2人だったら乗り越えられると思います。

辛いときは言葉に出すことが大事「周囲の人にたくさん頼っていいんだよと伝えたい」

――まやちゃんの姿を見ながらご自身の高校時代を思い出したりしましたか。
近藤: え~~~! ほとんど覚えてない(笑)。岡山の田舎で、外灯もないところに育ったんです。よくコッペパンを食べていました(笑)。恋愛に関しても、手をつなぐことさえ必死で、ファーストキスもまだでした。しゅんくんみたいなイケメンもいなかったし。もし、しゅんくんが田舎にいたらすごい騒ぎになっていたと思います。
――学校中が大変なことになりそうですよね。近藤さんの子育てのお話もお聞きしたいです。とくに大変だった時期はいつごろでしたか。
近藤: 1年前ですね。下の子が生まれたばかりで上の子がまだ3歳になってないころ。下の子は言葉も通じない、夜泣きもある。上の子もママにかまってほしいという状態ですごく大変でした。
――睡眠も十分にとれないですよね。
近藤: 寝不足ですべてにイライラするし、夫にも強く当たっていました。仕事がしたくても時間の制限があって、思い通りに仕事できない。夫は好きなように仕事をして好きな時間に帰ってくる。男女平等って何だろうってずっと考えていました。
――本当に大変そうです。どうやって乗り越えましたか。
近藤: 夫も仕事をたくさんして大変だとわかっていたので、最初は我慢していました。でもある日、これって平等じゃないよねと思った瞬間に「寝たい。ゆっくり寝たい」って夫に打ち明けました。夫は「そうだよね、気づいてあげられなくてごめんね」って言ってくれました。その後は週に1回、土曜日は夫が子供たちと一緒に起きて、近くのカフェでモーニングを買ってきてくれるようになりました。その日だけは、私は朝8時くらいまで寝ていられます。普段は6時に起きているので、8時まで寝られるのってすごく幸せ。今は土曜日が来るのがすごく待ち遠しいです。

――今も続いているんですね。
近藤: 続いています。でも、だんだんなんで週に1回だけなんだろうな~って思うようになってきました(笑)。でも言い出したらキリがないので、今のところは週に1回の楽しみにしています。木曜日くらいから「あ~、もうすぐ土曜日だ~」ってウキウキしています。
――辛いと思ったら、まずは言葉にすることが大事ですね。
近藤: そう。「辛いよ」って口に出すようになりました。
――パパとして太田さんはいかがですか。
近藤: めちゃめちゃいいパパです。仕事が忙しいときでも、家事や育児をやりたいという気持ちは伝わってきます。その気持ちがあるだけでも満足できるものですよ。
――近藤さんは、出産してから変化したことはありますか。
近藤: すごい早歩きになりました。時間がもったいないから、いろんなやるべきことを頭の中でパズルのように組み立てて、一瞬たりとも無駄にしないように心がけています。一気に5個くらいのことをできるようになりましたよ(笑)。
――5個はすごいですね!仕事への価値観も変わりましたか。
近藤: 変わりました。限られた時間の中での仕事ということもあって、一つずつの仕事がより丁寧になりました。家族がいるからこそ仕事が頑張れる、より家族を大切にできるといういい循環ができています。夫も、子供が生まれてから賞レースへの思いがより強くなったように思えるので、きっとお互いに変化はあるんでしょうね。
――ご夫婦の関係は変わりましたか。
近藤: それが交際中からずっと変わらないです! 「好き好き大好き~!」っていうのが最初からなくて、出会った時が底辺だったので(笑)。芸人さんはチャラいイメージだったので、その後は上がるしかないというか。「あれ?チャラくないじゃん、優しいじゃん」って。今も更新中です。
近藤千尋がナレーションを務める『普通の女子高生だったはずの私が 16才でママになって知ったことは、』は毎週火曜よる10時よりABEMAにて配信。またABEMAビデオでは最新話まで無料配信中。
テキスト・取材:氏家裕子
撮影:You Ishii

――素晴らしい関係ですね。近藤さんのように仲良し夫婦でいられるよう、“しゅんまや”にアドバイスなどありますか?
近藤: 出産したときには、いろんな人のいろんな意見があって傷ついたこともあったと思います。私も芸能界にいるので、色んな人から様々な意見を言われますけど、そんな意見は聞き流しています。まやちゃんも、自分にとってプラスのことだけを聞いてればいい。1分1秒でも中傷してくる人に感情を持っていかれるのはもったいないと思います。あとは何かやりたいって思ったときに、子育てが大変だからという理由であきらめないでほしい。17歳はなんでも挑戦できる年齢ですよね。例えば、小さいことだけど、美容院に行けないと思ったら、シッターさんに預ければいい。私も最初は罪悪感がありましたが、ママが笑顔になって家族がハッピーになるなら、子供を預けるのは悪くないんだと気づきました。子供とずっといてイライラしているほうが子供に悪影響。まやちゃんも、周囲の人にたくさん頼って、家族の時間を楽しんでほしいと思います。
――ありがとうございます。最後に、視聴者に向けて番組の見どころ、メッセージをお願いします。
近藤: 私みたいなお母さんにも見てほしいし、若い子にも見てほしいですね。若い子が好きな人と出会って、子供を育てるということは大変なことなんだよって。もちろんリスキーな部分もちゃんと伝わってほしいです。子供を産む責任、若い子にとっては気を引き締める機会にもなると思います。あとは、まやちゃんの可愛い笑顔をたくさん見てほしいです。ホントに可愛いですよ。