宇宙から帰還した“うな重”の味は? 老舗うなぎ屋三代目店主の夢
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 大自然にポツンとたたずむ“うな重”。うな重はみるみると上昇し、雲を超え、地球の丸みがくっきりと見える成層圏まで突入した。この違和感あふれる映像が、いまSNSで話題を集めている。

【映像】うな重、打ち上げの瞬間 ※CGではありません※(冒頭~)

 この取り組みは、うなぎの宇宙日本食認定を目指すうなぎ店「やなのうなぎ観光荘」が高校生とタッグを組み、実現。うなぎを気球に乗せて宇宙に打ち上げる、その名も「UNAGalaxyProject(ウナギャラクシープロジェクト)」だ。

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 ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、プロジェクトの発起人である観光荘の三代目、宮澤健三さんを取材。プロジェクトへの思いを聞いた。

「もうあまりに現実離れしていることをやっていたので、単純に『スゲー』って言葉しか出てこなくて。思いのほかTwitterでもバズって、我々も焦っています」(宮澤健三さん・以下同)

 長野県岡谷市で昭和29年に創業、今年で69年目を迎える観光荘。甘いたれに漬け込み、炭火でじっくりと焼き上げる蒲焼きが特徴だ。観光荘は現在、2023年にうなぎの蒲焼きをJAXAの宇宙日本食として、国際宇宙ステーション搭載のための研究を行っている。

 自分達の宇宙への挑戦をもっと多くの人に知ってほしい――。そんなとき、地元の工業高校の生徒たちとの出会いがあった。

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「長野県にある松本工業高校の生徒の皆さんが、卒業に向けた課題研究で360度カメラを成層圏まで打ち上げて宇宙の映像を撮りたいと言っていたんです。宇宙食の紹介も兼ねて、高校生たちに何か支援ができないかと思って。『じゃあ打ち上げに関してお金は出せないけど、クラウドファンディングで一緒に資金調達して、我々の試作品(うな重)を打ち上げよう』と。両方を紹介できると思い、プロジェクトがスタートしました」

 「宇宙を見てみたい」という高校生の夢、「宇宙日本食」を目指すうなぎ屋の夢。お互いの思いが重なり、うな重を気球に乗せて空に打ち上げるプロジェクトが始まった。

 活動の資金はクラウドファンディングを通じて調達。リターンには観光荘のうなぎも含まれていた。慣れないプログラミングや装置の制御、気球に搭載するうな重の軽量化など、さまざまな壁を乗り越え、今月7日、七夕の日に高校生とうなぎ屋の夢を乗せたうな重が空へと飛び立った。

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「本当に地球って青いんだと思いました。単純に映像だけ見ると、バカっぽく見えるのですが、それに向かって大人も子供もすごい真剣になって、ワクワクしました。こういうご時世だからこそ、前例のないことに挑戦するのは、すごくいいなって。そういううれしさがありました」

 実際に空を飛んだ「うな重」は食べたのだろうか。宮澤さんは「食べました。(宇宙から戻ってきて)海に着水したので、ほんのり磯の香りがして。磯の香りがする蒲焼きでした」と微笑む。

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 今年11月には3Dカメラを搭載した2度目の打ち上げも予定しているという。高校生の「卒業研究を成功させたい」という思いに加え、宮澤さんはこういった取り組みで「より多くの人々にうなぎへの関心・興味をもってもらいたい」と話す。

「手前の目標は、宇宙食の認証を受けること。これは社内でも大きな目標になっています。あとは、うなぎを食べると皆さん笑顔になって帰られるので、いろいろな人にうなぎに興味や関心を持っていただいて、それが続くような社会になればいいなと、うなぎ屋さんとして思っています。そこが私の一番の願いです」 (『ABEMAヒルズ』より)

【映像】タレも一緒に!うな重、成層圏へGO☆
【映像】タレも一緒に!うな重、成層圏へGO☆
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