9月23日に開催されるRISE・ぴあアリーナMM(横浜)大会における、那須川天心のマッチメイクが決まった。8月2日の記者会見で発表された対戦相手は、RISEバンタム級チャンピオンの鈴木真彦。常に“打倒・天心”を意識してキャリアを重ねてきた選手だ。

【映像】那須川天心のライバルが衝撃KO

 鈴木は6年前、那須川に1ラウンドKOで敗れ、それ以来リベンジを狙ってきた。「あの敗北は今でも忘れない」と言う。RISEに参戦したのも、那須川がいるからだ。その執念は、那須川戦以降20連勝を記録したことからも明らか。

 しかし昨年、那須川の対戦相手を決めるトーナメントでは決勝で志朗に敗北。那須川は「もう闘うことはなくなったと思った」と言い、鈴木自身も「終わった...」という心境になっていた。

 それでも再起すると連勝。そして今回、コロナ禍で外国人選手の入国規制がある中、鈴木にチャンスが巡ってきた。鈴木はこれを「運命」だと感じているという。確かにそれだけのドラマがある展開だ。

 しかし那須川は「前回同様の結末になると思います」。6月のRIZIN・東京ドーム大会以来の試合となるが、公式戦は2月末の志朗戦以来。試合をしたい気持ちが高まっていたという。「ドームの3日後くらいからずっと仕上げてます」。間隔をあけずに試合をすることが重要だと那須川は語っている。

「試合をしないと感覚が途切れてしまうので。メディアには出てますけど、僕がなぜ応援してもらえるかと言ったら闘っているから。そこはブレてはいけないと思ってます」

 いつもは“勝ち負け”の重みを口にする那須川だが、会見でKOを意識するかと聞かれると「めちゃめちゃ意識します」。勝つのはもちろん、レベルアップした姿を見せたいという気持ちが強いようだ。

 鈴木の攻撃力については「当たれば爆発力はあると思います。でも当たらなきゃ意味がない」。さらに「実験というか、試したいことがある」とも。「オリンピックだけがスポーツかといったら、そうじゃない」という言葉もあり、格闘技の魅力をインパクトが強い勝ち方で伝えたいのだろう。

 また「相手どうこうではない」としながらも、鈴木とは“因縁”がある。6月のRIZIN東京ドーム大会、対戦相手を探す中で鈴木にもオファーがあったが、鈴木がそれを断っているのだ。この件について「プライベートの事情もあったので、コメントは控えたい」と鈴木。那須川は「プライベートということですけど、試合より大事なものってあるのかなと思います」と“毒”あるいは“正論”を浴びせた。

 会見後の写真撮影でも、那須川は鈴木といっさい目を合わせなかった。その胸中はどのようなものなのか。そして残り3戦となったキックボクシングの試合で何を見せるのか。それがどんなものであれ、期待が裏切られることはないと断言していい。そして、そんな那須川に鈴木がどう対抗していくのか。キャリアのすべてをかけた挑戦にも、やはり期待したい。

文/橋本宗洋

那須川天心のライバルが“インパクト大”のKOデビュー! 「ここ(RISE)に来たのも天心がいたから」 【ABEMA 格闘TIMES】
那須川天心のライバルが“インパクト大”のKOデビュー! 「ここ(RISE)に来たのも天心がいたから」 【ABEMA 格闘TIMES】
ABEMA TIMES
【映像】那須川天心のライバルが衝撃KO
【映像】那須川天心のライバルが衝撃KO
那須川天心も太鼓判! RISE53kgトーナメントは“倒す”闘いで番狂わせも 【ABEMA 格闘TIMES】
那須川天心も太鼓判! RISE53kgトーナメントは“倒す”闘いで番狂わせも 【ABEMA 格闘TIMES】
ABEMA TIMES