人生の転機など、どこで待っているかわからない。「RTD Girls Tournament 2021」に出場しているプロ2年目の新鋭、梶梨沙子が麻雀プロになった経緯は、実に独特だ。「バイトを探していた時に、家の前に雀荘のライターが落ちていて」。バイト求人サイトも数多くある中、道端にあったライターを拾って電話までかけるという行動力が、プロ雀士への道とつながった。
【中継】RTD Girls Tournament 2021 予選2日目
慶応大学に在学中、パン屋でバイトをしていたころは、麻雀などまるで触れたことがなかった。「私がポンコツだから、パートのおばさまたちにめちゃくちゃ怒られて(笑)。違うバイトを探していたら、いろいろな人から漫画喫茶か雀荘がいいと言われました」。ネット検索一発で、最寄りの雀荘などすぐに見つかりそうなものだが、ここで運命的な出会いを果たす。「たまたま家の前に雀荘のライターが落ちていたんですよ。ちょうど探していたし『これは運命だ!』と思って、電話をかけました。パン屋のおばさまが優しかったら、麻雀を知らないで生きていたかもしれないですね」。
まさかの縁で働き始めた雀荘には、現在所属する最高位戦のプロがいた。「周りに勉強熱心の人が多くて」、戦術本などを勧められるうちに、さらに興味が沸いた。「強い人に学べる環境に入りたいなと思って」、最高位戦のプロテストを受け、合格した。
プロ入り前には、プロ麻雀界の最高峰「Mリーグ」の選手たちとも接点があった。「初年度はパブリックビューイングに行って、近藤誠一さん(セガサミーフェニックス=最高位戦)と写真を撮っていただきました。学祭には白鳥翔さん(渋谷ABEMAS=連盟)もいらっしゃいましたね」と、かなり早い段階でトッププレイヤーとの接点を持った。憧れもありつつ、より身近に感じられた瞬間かもしれない。
高学歴とはいえ、トッププロの思考には目が回った。プロ入り直後は「自分の見えていない世界が多すぎた。今から麻雀に人生を捧げて、一生をかけてもたどり着けるかどうかと思うぐらいの人が多すぎる」と、山の高さに仰天した。それでも村上淳(赤坂ドリブンズ=最高位戦)ら先輩に教わったことを少しずつ吸収し、自分の引き出しも増えてきた。
いずれはMリーグという晴れ舞台に立ちたい思いはあるが、焦らない。「不甲斐ない姿を見せるわけにはいかない。もっと実力をつけたいです」と、地に足をつけて一歩ずつ進む。今から数年後、梶がMリーグ入りを果たした暁には、オリジナルライターも完成することだろう。
◆RTD Girls Tournament 2021 全8選手が参加し、予選は1日4試合を2日間、計8試合を行い、1人4試合に出場する。上位6人が準決勝に進み1日3試合を2日間、計6試合で1人4試合し、上位4人が勝ち上がる。決勝は1日4試合で優勝者を決める。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)