重症化リスクが高い65歳以上の高齢者における新型コロナウイルスの接種状況について、約75%が2回目の接種を完了した。内閣官房の集計を受けた菅総理は、7月30日の記者会見で「目標を達成することができた」と発表。高齢者接種をめぐっては4月の記者会見で、菅総理が「7月末を念頭に、希望する高齢者が2回のワクチン接種を終えられるよう取り組む」と表明していた。
【映像】“ブレークスルー感染”した医師、YouTubeで過酷な病状を訴え(動画あり)
新型コロナ抑え込みのカギとなるワクチン。しかし、ワクチン接種済みだからと言って、感染する可能性がゼロになるわけではない。
都内で精神科医として働くShidowさんは、5月に2回目のワクチン接種を完了していたが、先月、PCR検査で新型コロナ感染が判明。
「自分の場合は病院でワクチンを2回打っているんですよね。でも、ワクチンを打っていても40度まで発熱するし、陽性になることがわかった。ワクチンを打っていても、決して安心はできない」(Shidowさん・以下同)
接種済みでも感染が確認される、いわゆる「ブレークスルー感染」だ。国立感染症研究所は、自治体や医療機関からの報告をもとに、ワクチンを接種した人の感染状況を調査。すると、免疫が完全につくとされる接種後14日間を経過した人でも、6月末までの3カ月間で、67人の感染を確認した。
またアメリカでは、疾病対策センター(CDC)がマサチューセッツ州で発生したクラスターを調査したところ、感染が判明した469人のうち、約7割がワクチン接種済みだった。このうち133人から採取した検体を調べたところ、9割がデルタ株だったという。
各地で感染が拡大しているデルタ株について、ワクチン接種担当の河野大臣はYouTubeのライブ配信で「デルタ株の感染拡大をワクチンだけでどうにかするのは厳しい」と言及。その上で「マスク(の着用)、手洗い、距離をとる、食事の時には特に気を付けるなど、そういう感染対策をみんなでしっかりやりたい」と語った。
ワクチン接種後に感染したShidowさんも自らの行動を振り返り「接種後も気を抜いてはいけない」と、警鐘を鳴らす。
「極力人と会わないようにもしていましたが『1年前と同じ対策ができていたのか?』と聞かれると、そこは自信を持って『イエス』とは答えられません。新型コロナにかかって一番つらいのは、自分の体調よりも誰かにうつしてしまったんじゃないかとか、仕事や関係する方に迷惑をかけてしまったんじゃないかということ。コロナにかからずそういう思いをする人が1人でも減ることが大切です。ワクチンを打っていなかったらもっと重症化していて、こうやって動画を撮ることもできなかったかもしれませんし、ワクチンが『意味がない』ということではありません。それは誤解をしないようにお願いしたいです」
(『ABEMAヒルズ』より)
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