平成17年に興収20億円を突破した映画『妖怪大戦争』が、新たなストーリー&スケールで『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(8月13日全国公開)として令和の時代にカムバック。日本国内の有名妖怪はもちろんのこと、世界のモンスターやまさかの大魔神も入り乱れた妖怪大戦争が勃発する。平成版で主演を務めた神木隆之介からバトンを受け継いだのは、当代きっての名子役・寺田心。13歳になった“天才子役”は今年中学に進学し、心身ともに成長を実感しているという。成長した寺田の変わったもの、変わらないものとは。
妖怪バトルに巻き込まれる怖がりの少年・渡辺ケイ役。共通点は「かなりの怖がり!」という寺田は「リアルな特殊メイクに俳優さんたちの演技も相まって、妖怪たちの姿にしばらく怯えていました。中でも一番怖かったのは姑獲鳥さん(安藤サクラ)。死んだ赤子を抱いているので、夜に見ると『うわー!』となる。実際に怖い夢も何度か見ました」と照れ笑い。
たしかに妖怪の見た目はグロテスク。しかしよくよく見るとコミカルであり、ユーモアも感じる造形だったりする。「撮影が終わった今では、妖怪にも人間味があって可愛いなと思うようになりました。スネコスリなんてペットみたいで凄く可愛いですよね!」とお気に入り。砂かけ婆に砂をかけられるシーンもあるが「嬉しいとはちょっと違うかもしれないけれど、でも砂かけさんに砂をかけられることなんてめったにないこと。妖怪好きな人にしてみれば嬉しいレア体験のはず」と見どころの一つに挙げる。
ただし恐怖克服はあくまで妖怪だけの話。寺田にはまだ克服していない恐怖がある。「それは幽霊です。妖怪とは人間の気持ちから派生して出現したものですから、頑張ったら友達になれる可能性もある。でも幽霊は完全に幽霊で、妖怪とは別物。妖怪を克服しただけで、お化けが怖くなくなったわけではありません」と心霊系は苦手らしい。
“天才子役”との異名をとる寺田も、気づいたら今年中学入学。心境の変化よりも身体の変化を実感している。「最近声もどんどん低くなっているような気がします。声変わりの時期なのでちょっと考えてしまうところもあります。声が枯れたどうしようとか…」。思春期ならではの悩みは成長の証でもある。
成長した寺田の姿に、ネット上では「イケメン!」「私服オシャレ!」などの声も上がっている。「それは衣装さんやメイクさんが一生懸命上手にやってくれているからです」と恐縮するも「昔は水色とか可愛らしい系の色が好きでしたが、最近は白や黒が好きになりました」と身も心も成長中だ。
その一方で、歳を重ねても変わらないものもある。「お仕事上のルーティンは、祖母に電話をすること。今日はこのシーンの撮影だよと報告して、力をもらっています。演技ではあまり緊張はしないタイプですが、インタビューなどの取材の場が一番緊張するかもしれません。自分の考えをちゃんと伝えなければと力が入ってしまって。今も心臓がバクバクしています」と誠実な性格をチラ見せする。
学業と仕事の両立も、中学入学後も変わらず。「先輩たちも優しいし、同学年の人たちも沢山いるので、よく喋っています。友達も『映画観に行くよ!』と言ってくれたり、『一緒に観に行かない?』と誘ってくれたり。『妖怪大戦争 ガーディアンズ』を観に行ってくれるという嬉しさと誘ってくれる嬉しさもあって。みんなでいつ観に行くのか計画を練っている最中です」と声を弾ませる。俳優としても人間としても、今後の成長が一層楽しみだ。
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』8月13日(金)全国ロードショー!
寺田心
監督:三池崇史
製作総指揮:角川歴彦、荒俣宏 脚本:渡辺雄介 音楽:遠藤浩二
制作プロダクション:OLM 配給:東宝、KADOKAWA
取材・文:石井隼人
写真:mayuko yamaguchi
(c)2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ