宮台氏「日本は“金太郎飴”。国民を見ていない人がそこら中にいる」 コロナ禍で見えた政治課題
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 国内の新規感染者は連日1万人を越え、歯止めのかからない感染拡大。政府は病床確保のため、中等症以上を原則入院としてきたこれまでの方針を見直し、重症者や重症化リスクの高い患者以外は自宅療養を基本とすることを明らかにした。

【映像】宮台氏が指摘 コロナで見えてきた政治課題

 緊急事態宣言の対象地域は、2日から6都府県に拡大。まん延防止等重点措置はこれまでに適用されている北海道、石川、京都、兵庫、福岡に加え8日からは北関東3県や愛知、福島など8県が追加される。どちらも期間は今月31日までとしている。

 そんな中、独自の支援策を打ち出した自治体も。島根県は、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県在住で基礎疾患のある県内出身者に対し、一時的な帰省の際にホテル宿泊費用などを補助すると打ち出した。この支援策にTwitter上では、「もはや首都圏の医療はあきらめろという知事からのメッセージ」「自宅療養を強いる政府との差がすごい」「これって政府のほうが各知事にお願いするべき話では?」と称賛の声が相次いだ。

 出口の見えないコロナ禍と出口戦略を示せない政府。果たして菅政権の今後は。コロナ禍で見えた政治課題について、東京都立大学教授で社会学者の宮台真司氏に聞く。

宮台氏「日本は“金太郎飴”。国民を見ていない人がそこら中にいる」 コロナ禍で見えた政治課題

 去年1月に国内で初めて感染が確認されてから、これまでのコロナ対応について、宮台氏は「国民のためを考えている人がいない」と疑問を投げかける。

 「僕たちは政治を見る時、いつも誰のために何をしているのかを見る必要がある。国民のためにしている人が日本の政権、中枢にいるのか。政権の自己保身のためにやっていることばかりではないか。病床転換はどこの国でもできていて、なぜかと言うと政治的に命令できるから。日本では医療法を変える必要があるが、医療法を変えられない。政治が手を突っ込んで変えることに、医師会が断固として反対しているからだ。ここで医師会は国民を見ているかということ。自分たちの保身のために利権に固執していて、これも日本の劣等性。“どこを切っても金太郎飴の菅の顔”というのが僕の言い方だが、かつてだったら“安倍の顔”。“安倍が悪いから、菅が悪いからこういうことが起こっている”というのは楽天的すぎる。同じような顔をしたやつが日本中、そこら中にいる」

 一方で、飲食業界は時短営業の要請や酒類提供の禁止など、厳しく制限されている。協力金を申請しても給付まで時間がかかり、やむを得ず営業する店もある。

 「営業権あるいは生存権があるので、補償が十分でないならばむしろ営業するべきだ。例えば、イギリスは営業利益の8割、フランスでも7割が補償される。つまり、“今年はちょっと景気が悪いかな”ぐらいの営業利益は補償してもらえる。日本もそうだったら、みんな(営業を)やめて政府の言うことに従うだろう。営業補償が全然できずにやめろというのは人道に反している。まず憲法義務違反だ。統治権力が国民の生命と財産を守る義務を放棄しているということだ」

 会見などで感染抑制を呼びかける菅総理に対しては、「原稿を読むだけ」「本気度が見えない」など、発信力の低さを指摘する声もある。

宮台氏「日本は“金太郎飴”。国民を見ていない人がそこら中にいる」 コロナ禍で見えた政治課題

 「そういう能力がないだけだと思う。若い人たちにもそういう能力がない。実は能力は養うものなので、それを養わなければいけないという国民的な合意が必要だ。去年のクリスマスの時、(ドイツの)メルケル首相がロックダウンをした。彼女は東ドイツ出身で、移動の自由の大切さをよく知っている。よく表現の自由が一番大事だと言うが、移動をしなければ、人と会わなければ表現できないし、伝えられない。あるいは、表現の場合に大事なのは政治的な抗議行動だが、移動が禁止されたらデモもできないし、集会もできない。だからメルケルは、ごく一時的な措置だからこのクリスマスだけは集まらないでほしいと切々と訴えた。みんなが納得したわけではないが、そこまで言われたら仕方ないという感じになって、実際にクリスマスに集まらない人がいた。しかし、日本の知事や総理が言うのは“不要不急のことはやめてくれ”。人間の尊厳は不要不急なことをすることにあるのではないか。祭りで集まるとか、踊りで集まるとか、パーティーで集まるとか、人と話すとか。不要不急だからやめてくれって、“なんだこの魂のない言葉は”と思う」

 さらに、記者の質問に対して菅総理の受け答えが噛み合っておらず、同じような回答を繰り返すシーンも見受けられる。

 「確固とした価値観を持っていて、それを人に伝えることでその気にさせる力のある人が基本、民主主義の中で選ばれるべき政治家だ。ところが日本は、企業もそうだが、エデルマンというアメリカのPR会社がリサーチした結果だと、取締役会の役員に対する尊敬の度合いがOECD加盟国で最も低いのは日本。ポジションを上げるために上のケツを舐めるやつだから上がったと思っているわけだ。これは日本の政治の世界でもそうで、独特な価値観を持っていて、説得を通じて人々を動かすような人が、例えば自民党で残れるわけがない。だから菅総理のような人が上にあがる。今の政権もその前の政権も、日本という社会の自画像そのものだ。自画像の本質は価値にコミットできない。自分自身の価値を信じることができない。そこに最大の問題がある」

(『ABEMA Prime』より)

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