国内で猛威を振るい続けている新型コロナウイルス感染症。そんな中、ダニが媒介する感染症に注意が呼びかけられている。
【映像】こんなに小さいの? 服に付着した「マダニ」(見つけたら要注意)
6月、千葉県でダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染が確認された。調査を行った国立感染症研究所と千葉県衛生研究所によると、感染したのは千葉県内に住む70代の男性で、発症前に他県への往来がなく、千葉県内で感染したとみられている。
「重症熱性血小板減少症候群」は主にウイルスをもつマダニに噛まれ感染する。症状として発熱や下痢、嘔吐、出血などがあり、致死率は最大で30%程度と言われている。国立感染症研究所のデータによると、2013年に国内で初めて感染が確認され、西日本を中心に累計で500人以上の感染が報告されている。現状、ワクチンや有効な治療薬はない。
東日本でも確認され始めたこの感染症について、山口大学の早坂教授は「(マダニが)だんだん東に来ている可能性もある」と分析する。
「今年になって、静岡で患者が見つかり、千葉でも報告があった。SFTSはここ数年の間に見つかった病気。今の状況が昔からあったのか、だんだん東の方に来ているのか分からないが、これから調べていくとそれが分かるかもしれない。少なくとも(マダニの)分布は西日本中心だったが、関東周辺で少しずつ見つかっている」
そして早坂教授は、この感染症が「ペットを介して感染するリスクもある」と指摘する。
「発症している動物を触ると、人に感染する可能性がリスクあることが分かっている。実際に感染した例も報告されていて、動物からペット、特に猫などから感染することが実際にある。これはぜひ知っておいていただきたい。家の中で飼っていて、マダニに噛まれない状況なら問題ないが、外にいてマダニが付いていそうな猫には予防が大切だ。具合の悪い猫や犬をケアするときは、本当に気を付けていただきたい」
マダニに噛まれないためには、どのような対策を心がけるべきなのだろうか。早坂教授は「山などに行くときは肌の露出を避けてほしい」と語る。
「SFTSは、少なくともマダニから来る病気だと分かっている。よって、マダニに噛まれないことが一番重要だ。山などに行くときは肌の露出を避ける格好で行ってほしい。マダニがすぐに噛むことはない。帰ってきて服を見て、マダニがいれば払っていただきたい。マダニに効果的な(虫よけ)スプレーもある。完全に防げなくても、服の上からかけられるスプレーもあるので、有効的に使ってほしい」 (『ABEMAヒルズ』より)
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