厚生労働省が新型コロナウイルスの感染症法における扱いの見直しに着手したというニュース。9日夜、このニュースが一部で報じられると、きょうにかけて関連ワードが続々とTwitterのトレンドに入るなど、大きな関心を集めている。

【映像】なぜ今?感染症法の扱い見直し着手へ

 もし見直された場合、何がどう変わるのか。テレビ朝日社会部・厚生労働省担当の岩本京子記者が解説する。

Q.そもそも、今の感染症法の分類は?

 感染症法に位置付けられている感染症は、感染力や致死率などに応じた「1~5類」と、現在の感染症法に位置づけられていない「指定感染症」、「新型インフルエンザ等感染症」の7種類に分類されている。この中で新型コロナは新型インフルエンザ等感染症に位置づけられている。

Q.新型インフルエンザ等感染症でとれる対策は?

 「SARS(重症急性呼吸器症候群)」や「結核」などが規定されている2類感染症以上の強い対策をとれる。具体的には、外出自粛の要請や入院勧告、指定医療機関への入院などで、無症状者についてもこうした措置を適用することができる。こうした措置が取られていることで、保健所や医療機関は感染者が増えてくるに従って業務がひっ迫してくる。また、指定医療機関の病床だけでは事実上足りないのが現状。

Q.なぜこのタイミングで見直しを検討? 見直しの内容は?

 感染の急拡大で医療がひっ迫してきていることが一番大きな要因だと思う。「5類にしてはどうか」という話になっていて、5類感染症に規定されているのは季節性のインフルエンザ。措置としては緩和され、死亡した時の医師による届け出と濃厚接触者の調査などは必要だが、入院の勧告や都道府県による経過の報告、就業制限などはなくなるので、医療機関や保健所など現場のひっ迫感はかなり軽減される。

 ただ、デルタ株のウイルス量が増えていると指摘されたり、まだコロナウイルスについてわからないことが多い中、ワクチン接種も進んでいない状況で措置を緩和することへの懸念が出てきている。

 今感染者が増えている状況で、厚労省はこうした見直しを実施することにはとても慎重だ。10日朝の閣議後会見でも、田村厚労大臣は「ワクチン接種がより進んだ場合に見直しを検討するような必要がある」と話した。ただ、ワクチン接種がどこまで進んだら具体的に議論を始めるのかといった細かいスケジュールは示されていない。

 内部ではすでに議論が始まっているそうだが、表立って議論をする場合にはアドバイザリーボードや専門部会で専門家の意見を聞き、了承を得たうえで変更となる。法改正も必要なので、国会で審議されることになる。

Q.現場などからはどのような声があがっている?

 去年の2月、当初は未知の感染症ということで、一時的に「指定感染症」に位置づけられた。その頃から賛否両論があって、今年2月に感染症法が改正されて、新型インフルエンザ感染症法に位置づけられた際にも「5類にするべき」との声があった。

 実際にその議論の場で、全国保健所長会は厚労省に意見書を出していて、「病原性・感染性が高いという恐怖を抱かせる疾患であるというイメージが、一般の人のみならず医療従事者にも誤解をまん延させる懸念がある」とした。そういうことが起きると診療拒否につながったり、地域の医療体制が崩れるきっかけになりかねないということで、新型インフルとは異なる疾患だということを国から丁寧に説明してほしいと求めていた。

 今新型コロナウイルスに感染した場合、医療費はすべて公費で負担されているが、5類感染症になると自己負担が発生してくることになるので、慎重な検討が求められる。

(ABEMA NEWSより)

都の感染者“過去最多” 局長が異例の説明
ABEMA