飲食店での“ワクチンパス”提示義務化「面倒くさい」の声も徐々に定着 同時に反対デモも大きく 仏
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 フランスで9日から、カフェやレストランへの入店の際に、ワクチンの接種完了や陰性を証明する、いわゆる“ワクチンパスポート”が義務となった。提示しない客は135ユーロ(約1万7000円)の罰金が課されるほか、確認を怠った店も業務停止となる可能性がある。

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 ワクチンパスポート提示義務化への人々の反応について、ANNパリ支局の金指光宏支局長は「皆さん席につくと、店員さんに聞かれなくてもスマホを開いてQRコードを提示していたり、テラス席でもパスがいるかどうかを聞くおばあちゃんもいたが、その人も紙のパスを持っていたりして、すでにフランスの中でワクチンパスは定着してきている印象を受ける。お客さんに聞くと、コーヒー1杯を飲むのにもパスの提示が必要ということで、『ちょっと面倒くさい』という声はあがっている。ただ、コロナ禍を考えれば、ワクチンパスの制度は『致し方ないんじゃないか』という声が多い」と説明する。

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 では、ワクチンを接種していない人はお店に入ることができないのか。フランスでは、薬局などでPCR検査や抗原検査を受けることができ、そこで陰性が証明されればパスとして使えるため、大きな混乱などは起きていないという。

 また、映画館はすでに7月21日から提示が義務化されているが、金指支局長が取材したところによると、「お客さんがガクッと減ったと。最初の頃は7、8割減ってしまって、若干戻ったが、5割ぐらいになっているようだ。映画館は気軽に行けるところなのに、いちいちパスを用意していくというところで抵抗感が出ているのではないか、と担当者は分析していた」とのことで、経済の面で影響が出ているようだ。

 そんな中、ワクチンパスポートに反対するデモが、ここ4週間連続で土曜日に行われている。参加者らの主張は、「自分の体に何を入れるかは、自分の判断でやりたい」「コロナ禍とはいえ、それを強制されるのはおかしい」といったもので、義務化に対する反発が大きい。

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 これに対して、マクロン大統領は「接種しないという自由のせいで他人を感染させるなら、それは自由ではなく無責任だ」と強気の姿勢を示している。また、フランス国民であればPCR検査や抗原検査は無料(外国人の抗原検査は25~30ユーロほど)だが、政府は秋にはフランス国民でも有料化する方針を示していて、有料の検査よりも無料のワクチンを受けるように強く促している形だ。

 8月30日からは従業員側のパスの提示の義務化、9月30日以降は提示義務化の対象が12歳以上に拡大される。金指支局長は、「毎週行われているデモも、当初に比べて参加者が2倍になっていて、どんどん反対する人の声は大きくなっている印象はある。パスを持っている人と持っていない人で明らかに差ができてしまっているので、『それは差別だ』と訴える気持ちもわかる」とした。

ABEMA/『倍速ニュース』より)

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