「特に女性や少女たちが心身ともに健康な生活ができるのか、懸念しています」
【映像】診療所の近くで戦闘員が発砲…住民には死亡者も(現地の様子)※2分50秒ごろ~
世界保健機関(WHO)テドロス事務局長は18日、アフガニスタンの現状について栄養失調になる人や新型コロナウイルスなど、さまざまな患者が増える恐れを指摘した。特に女性や少女について、すべての医療サービスを受けられることを優先してほしいと国際社会に要請している。
タリバンが新政権の樹立を目指す中、相次ぐ「女性の権利や医療サービスが守られるのか?」という懸念の声。ニュース『ABEMAヒルズ』では、日本からアフガニスタンの医療サービスをサポートする団体に現状を取材した。
国際協力NGOであるジョイセフがサポートしているのは、アフガニスタン東部のジャララバード近郊にある女性の妊娠・出産に関わるクリニックだ。現地では、女性の医師やスタッフが常駐している。
同団体の甲斐和歌子さんは「現地では、基本的に、思春期を過ぎた女性は『男性に肌を見せてはいけない』と考えられています。女性は外に一歩出るときに“ブルカ”という全身を包む布をかぶって外出しますので、病院に行っても『ブルカを脱ぎたくない』とおっしゃる女性もいます。そういった地域でクリニックをやっていますので、男性医師だけですと病院に来れない女性もいるんです。彼女たちは女性の医師がいるから、ブルカを脱いで診察を受けることができるんです」と話す。
タリバンが各地を制圧する中、現地の様子に何か変化はあったのだろうか。
「米軍が撤退して、ちょっと不穏な空気になってきた頃から日々やり取りをしていますが、今のところ、クリニック周辺で武力の衝突はなく、平和的に行われていると聞いています」
しかし、ジョイセフがサポートするクリニックにほど近いジャララバードで18日、タリバンへの抗議活動をしていた住民らに対し戦闘員が発砲。少なくとも3人が死亡し、10人以上がけがをしたと中東メディアなどが伝えている。
融和姿勢を強調しているタリバンだが、かつてのタリバン政権では女性の教育や就労が禁じられていた。ジョイセフがサポートするクリニックは、今後どうなっていくのだろうか。また、タリバン側に運営の許可などを求める必要はあるのだろうか。
「タリバン側からは、今のクリニックは通常通り運営していいと言われていると報告がありました。細かくタリバン側に確認はしていませんが、現時点で、特に女性の医師が働いているから、女性のためのクリニックだからといって、何かダメだといわれることはありません」
これまでジョイセフでは、日本の小学生が使い終えたランドセルをアフガニスタンの子供たちにプレゼントするサポートも行ってきた。今年春に集めた物資は、もうすぐアフガニスタンに到着する予定だという。
「物資に関しても、支援を止めたり、配布してはいけないといった話は今のところはありません。私たちとしては継続できる限り、継続していきたいと思っています。特に、こんな状況ですので、女性の教育、女性の健康に関する支援は、できるだけ後退したくありません。支援は継続して行う必要があります」 (『ABEMAヒルズ』より)
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