東京・高円寺にあるホラー施設「ゾウンテッドマンション」で今月からスタートした、お化け屋敷「バブリミ」。“赤ちゃんへの回帰”をコンセプトにしており、「赤ちゃんプレイ」と「お化け屋敷」を組み合わせた新感覚のホラーアトラクションが楽しめる。
【映像】ゾンビ学者から見た『赤ちゃんプレイお化け屋敷』(※解説パート 6分30秒ごろ~)
お化け屋敷の「恐怖」と赤ちゃんプレイという「羞恥」。2つの感情を同時に抱くことにより、日常生活のしがらみから解放されるという。
気になるアトラクションの内容だが、体験者はよだれかけ型の専用デバイスを身につけ、自らが“赤ちゃん”となりお化け屋敷へ。入場前には手足をベッドに拘束され、スタッフ、保母さんにあやされて“生まれたばかりの自分”に戻る。ベッドは黒幕の中へ移動。“赤ちゃん”には身の毛もよだつ恐怖体験が待っている。
スタッフ「日頃のストレスとか溜まっているものをバブバブして発散していただきたいです。赤子にかえっていただきたいです」
新感覚お化け屋敷「バブリミ」には、一体どのような狙いがあるのか。仕掛け人である、お化け屋敷プロデューサーのマイケルティー・ヤマグチ氏は「人間の本能へのアプローチ」を狙ったという。
「幼少期にしか見えなかったような風景、幼少期特有の何かしらに対する恐怖心をホラーとして癒やす空間を作ってみたらどうなるのかという。人間の本能的な部分に突き刺さるような、そこに立ち戻った心情的なお化け屋敷というのが誰の心にも響くのではないかと思って発表しました」(マイケルティー・ヤマグチ氏・以下同)
“日常生活からの解放”を大きなテーマとして掲げる「バブリミ」。タブーをお化け屋敷に組み込むには「恐怖以外の感情との緩急」がカギになると話す。
「例えばおもらしをしたような状態だとか、おむつを替えられるような状態とか、普段やったら怒られるようなこともアトラクションの大事なパートだと思っている。赤ん坊の時だったら許されたことを今やると怒られてしまう、(しかし「バブリミ」では)怒られてしまうようなことができる。要は羞恥プレイなんで、そこを楽しんでいただければ」
ヤマグチ氏が代表を務める株式会社ZAUNTEDでは、約30年前からお化け屋敷を展開する事業を行っている。商業施設や自治体からオファーを受け、遊園地や廃墟、村全体など全国津々浦々のお化け屋敷をプロデュースしてきた。
彼らが掲げるコンセプトは「ホラーで社会貢献を行う」というもの。一見関連がなさそうにも思われる2つの要素について、ヤマグチ氏は自身の考えを述べた。
「(ホラーは)社会性が元々ないものと思われがちなので、そこをいかに昇華させて社会に必要性を感じさせられるか、というのは課題になります。地方では、そこらへんのおじさんがやってるような催しくらいにしか思われていない。(しかし)『入ってみるとリアリティが半端なかった』とか、そういった思い出に残るというところは素晴らしい職業だなと思います」
今年10月には、ハワイにお化け屋敷をオープンするZAUNTED。世界への挑戦を前にマイケルティー・ヤマグチ氏は、日本のエンターテインメントが世界に勝つためにはさらなる変革が必要だと強調している。
「コロナがなければ、2020(五輪)とかIR法案で海外からのエンターテインメントが入って来る流れでした。エンターテインメント、アトラクションを作る企業というのは日本はまだまだ乏しくて、海外から結局呼ばれてしまうというところもわかっていた。コト消費とモノ消費ってあるじゃないですか?モノの値段というのはどこがいくら協業で張り合ってもダメなので、コト消費の方を大事にする商業施設さんがすごく増えているワケです。『赤ちゃんプレイお化け屋敷』のような原始的なものに立ち返ったような体験ができる場所っていうのが必要だと思うので、世に廃れないように大事に作っていこうと考えています」
暑い日が続く夏。「恐怖」と「羞恥」という2つの感情を同時に抱くことのできる不思議なホラーアトラクションで、日常生活のしがらみから解放されてみるのはいかがだろうか。(『ABEMAヒルズ』より)
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