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 SABU監督×劇団EXILEがタッグを組み、2018年に公開された映画『jam』。「因果応報エンターテイメント」と銘打たれた同作は、それぞれのキャラクターが複雑に絡み合いながら、人生が巡り巡る物語だった。あれから3年、「JAM -the project-」として再始動する。プロジェクト第一弾の映画に続く、新しいエンターテイメントとして、第二弾『JAM -the drama-』が8月26日(木)よりABEMAにて配信となる。

▶動画:『JAM -the drama-』予告映像

 『JAM -the drama-』では、映画『jam』世界観そのままに、新たな物語が構築される。青柳翔は落ち目の演歌歌手・横山田ヒロシを続投。ヒロシは自分がかつて捨てた曲「MASAKO」を歌う、元付き人の港町タカシ(SWAY)を発見し、自身が再びスポットライトを浴びるべく、タカシからの楽曲争奪作戦を立てる。そこで登場するのが、町田啓太演じるタケル。タケルは、そもそも意識を失ってしまった恋人の回復を祈っていたのだが…。

 新たに舵を切った『JAM -the drama-』のストーリーについて、撮影の舞台裏について、気ごころの知れた青柳&町田コンビにインタビューした。

青柳&町田が「煽られているのかな?」と思った、鬼才・SABU監督の演出

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――映画『jam』がドラマシリーズ『JAM -the drama-』になって還ってきました。撮影に臨む前、観返したりもしましたか?

町田: いえ、僕は観返してはいないです。前の撮影のときに考えていたメモみたいなものを取っていたので、それを読んだりして。それから、という感じでしたね。

――それでも、すぐ感覚は戻るものなんですね。

町田: それが…(苦笑)。そう思って現場に行ったんですけど、初日、ワンカット目の撮影が終わった後、SABUさんに「どうでしたか?」と聞いたら、「うーん…もうちょっとだね」と言われてしまって。だから、思っている以上に(感覚を戻すのは)すごく難しいなと思いました。最初はテイク数もかなり重ねてしまったので、申し訳ない気持ちがあったんですけど、徐々に、徐々に「あ、それそれ!」みたいな感じでSABUさんが言ってくださって、という感じでした。

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――青柳さんは、いかがでしたか?

青柳: いや、もう「あれ?俺、こんな服着てた?」みたいな感じで(覚えていなかった)。クランクインの前にSABUさんと話す機会はあったんですけど、SABUさんからは「ちょっと頑張んなきゃまずいね…」と言われて。「煽られてるのかな!?」みたいな(笑)。

町田: わかります!そういうとき、ありますよね。

青柳: あるよね~。

町田: 映画『jam』のときも、青柳さんと僕とのシーンの前に、「いやー、あそこのシーンのあいつら、めっちゃ良かったよ」と、別のメンバーのシーンを例に挙げられて、発破掛けられたんですよ。後で話を聞いたら、そっちはそっちで「青柳さんと町田のは良かったよ~」と言っていたと。すごいなあ、と思いました。

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――SABU監督の演出手腕なんですね。映画『jam』では、おふたりとも強烈なシーンのオンパレードで、特に青柳さんのヒロシは抜群のハマり役でした。今回も、それらを上回るようなすごいシーンを期待していていいですか?

青柳: ははっ、たぶんあると思いますよ。今回、「どんなヤツでも輝ける!運命激変エンターテイメント!」となっていますよね?見終わって改めて思ったんですけど、監督の中では緻密に考えていて、例えば「ここのテーマでは、昔の映画から持ってこよう」とかがある。普通に見ていたら気づかないような、細かいところも凝っているので、そこは楽しんでいただけるかなと思いました。

あと、映画『jam』では、フォーカスがヒロシ&昌子(筒井真理子)とタケル、テツオ(鈴木伸之)あたりに当たっていたのが、今回は「劇団EXILE」そのものにフォーカスが当たっていると思うんですよ。ドラマで全8話ということもあるので、全員に注目してほしいですね。

「青柳さんは最初から最後までしっかりヒロシ」「町田の本能的な部分は、やっぱりすごい」

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――おふたりは本シリーズにおいて共演シーンが多数ありますが、町田さんからご覧になって、今回の青柳さんが演じたヒロシ、いかがでしたか?

町田: いやあ、もうヒロシでしたね。最初から最後までしっかりヒロシでした。

青柳: …そうだね。

町田: ブレがまったくないというか。

青柳: そうそうそう。映画『jam』を経て、今回は「昌子の愛に気付くかな?」とか「ちょっと良い人になるのかな?」と思ったら、そんなことないもんね!

町田: そうなんですよ。全員が何かしら、ちょっと変わっていったり、進んでいく中でも、ヒロシだけは本当に変わらないんですよ。

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――あのヒロシに会えるっていう。

町田: めちゃめちゃすごいですよ。皆が変わっていって物語はどんどん進んでいるのに、ヒロシはそこにすんなりいて、まったく変わっていない。

青柳: 成長しないっていうのがヒロシ。

町田: そこが要所、要所、めちゃめちゃ面白くて。例えば、タケルがヒロシさんに「大丈夫ですか?」と確認を取るシーンがあって、ヒロシが「大丈夫です」と言うんです。けど、絶っ対に「大丈夫」ではない、分かっていない顔をしてるんですね、毎回(笑)。めちゃめちゃ真剣に聞いている風なのに、聞いていないとか。

青柳: そういう風に(台本に)書かれているもんね。

町田: 僕はそのヒロシを見ながら、笑いを耐えるのが大変で(笑)。やっていてすごく面白かったです。SABUさん、会話のチグハグさを表現することにかけて、本当に素晴らしいなと思うんです。

青柳: 上手だよね~。

町田: めちゃめちゃ上手いです。お互い全然違う話をしているのに成立している、みたいな。思惑が全然違うとかも、毎シーン、毎シーン面白くて。毎回、青柳さんがそれをやるのがめちゃめちゃ上手いから、「どういう反応してるのかな?」と毎回見ちゃいたくなるんですよ。そういうリアクションとかも、1回目では見逃しても、もう1回巻き戻して見ると、とんでもないことがわかると思います!

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――青柳さんの演技の真骨頂というところですね。青柳さんから見て、今回ご一緒した町田さんのタケルはいかがでしたか?

青柳: 映画『jam』での気持ち悪さもあるんですけど、今回は、もう…飛びぬけ過ぎちゃっていたから「ああ、これは組み立てるのが大変だろうな」と思っていました。

町田: いやあ、めちゃめちゃ分かってくれますか!?

青柳:うん。でもさ、人の役だし、そんなこと言えないじゃん。「大変だよね」みたいな感じになるじゃん、俺もさ。

町田: 衣装合わせのときに、SABUさんから「めちゃめちゃ大変だし、大事な役だから頑張ってね」と言われたんですよ。「は、はい」って、ちょっと擦れた声で返事したのを思い出します。

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――けれど、その大変な役を見事やられていた印象を、青柳さんは町田さんにお持ちというか。

青柳: そうですね。町田もちゃんと計算してくるタイプですし、「ここはやり過ぎちゃったらちょっとアレかな」という町田の本能的な部分は、やっぱりすごいなと思いましたね。…最後、結構ぶっ飛んでるんですけど。

町田: 結構どころじゃないです、青柳さん。

青柳: ねぇ、ねぇ。まあ、そこまでに至る組み立てること、「最後はこうだから、ここは何もなしにしよう」という能力が、やっぱりすごいなと思いましたね。

――町田さんは、今回だいぶ緻密にいろいろ考えられてやられていた部分もあると。

町田: 映画『jam』でのタケルは、あまり計算していないキャラクターで、やったことが結果、周りを巻き込んでいる感じだったんです。けど、今回の場合は、巻き込もうとしている、という。そこが前とはプラスアルファで変わっているところだったので、どう表現しようかなとすごく迷いました。完成したものをまだ見ていないので、放送で確認したいと思います。…ちょっと恐ろしいですけど(笑)。

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青柳&町田がプライベートで「最近輝いている!」と思った瞬間とは…?

――『JAM -the drama-』は「どんなヤツでも輝ける!運命激変エンターテイメント!」というキャッチコピーがついています。倣って、最近ご自身が「輝いた!!」と思う瞬間、教えてください。

青柳: 輝いたか…何だろうな?

町田: 青柳さんは、筋トレをしているときじゃないですか? 

青柳: え、死んでるよ?「早く終わんないかな。あと30分かぁ…30分頑張るか」みたいな感じ。

町田: そうなんですか(笑)。

青柳: 町田は?輝いている瞬間、何かないの?

――では、町田さんから是非。

町田: 何でしょうね…!僕、大学の仲間と草野球のチームを組んでいるんです。試合も結構やったんですけど、柵越えホームランを打ったときは、僕、輝いてましたね(笑)。

青柳: いける!

町田: いやー、いけちゃったんですよ(笑)。自分でもびっくりしました。しかも皆も沸いてくれて「うおおお!」となって。そういうときって、分からないんですけど、ベースをゆっくり回っちゃうんですよね(笑)。そのとき、俺、風を受けて、日光と疲労感と走っているのが混ざって「あ、輝いてるかも」とちょっと思いました。

青柳: スポーツは、マジでいいよね。

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――青柳さんもスポーツ関連で、輝いた瞬間とかあります?

青柳: 何だろうな。何だろうな。何だろうな…。

町田: 釣り

青柳: 釣りもしてない。

町田: キャンプ?

青柳: キャンプも結構前かな。輝いてるとは思わないんだよな。ああ、でもキャンプに行く前が一番輝いてるわ。

――キャンプの準備時が一番輝いている(笑)。

青柳: そうそう。

町田:それで言うと、青柳さんはキャンプ道具とか、興味のあるものをひたすら調べているとき、めっちゃ輝いてると思いますよ。

青柳: 輝いてる、輝いてる!いろいろなキャンプ道具を持っているんですけど、箱を開けて届いた道具を見ているときが、一番輝いてるかも。いざキャンプに行くと、ひとりだと楽ですけど、人がいると気を遣ったりするしね。「欲張ってこの道具を持って来なきゃ良かったかな」とか思うから、キャンプに行く前と道具を開けたときが、俺が一番輝いているときだと思います。

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取材・文:赤山恭子

写真:You Ishii

劇団EXILE・青柳翔×町田啓太インタビュー、新たな物語を刻むドラマ版『JAM -the drama-』への挑戦
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初回放送日時:2021年8月26日(木)夜10時~

放送日時:毎週木曜 22時~

放送チャンネル:ABEMA SPECIAL 

※8話のみ23時30分よりABEMA SPECIAL2で放送

番組ページ:https://abema.tv/video/title/570-1

出演:⻘柳翔、町田啓太、鈴木伸之、佐藤寛太、SWAY、秋山真太郎、八木将康、小澤雄太、小野塚勇人/清水くるみ、清水葉月、恒松祐里、筒井真理子

特別出演:八代亜紀純烈EXILE NAOTO

監督・脚本・編集:SABU

エグゼクティブプロデューサー:EXILE HIRO

©JAM -the project-

公式サイト:http://r.tribe-m.jp/jam_official/

【ストーリー】

落ち目のアイドル演歌歌手・横山田ヒロシ(青柳翔)。ふとテレビを見ると、彼が過去に捨てた曲『MASAKO』を歌う、元付き人・港町タカシ(SWAY)の姿が。ヒロシは再びスポットライトを浴びるべく、タカシからの楽曲争奪作戦をたてていたが、なぜか【師弟ユニット】として活動するハメに…。それを企てたのは、意識を失ってしまった恋人の回復を祈るタケル(町田啓太)。彼は恋人を救う為、<ある計画>をたてていた。一方、寡黙な青年・テツオ(鈴木伸之)は、ある女性と出会い、生まれて初めて恋を知る。元ラーメン屋店員の香港スター・レスリーチャンチャン(佐藤寛太)、チンピラヤクザの世良(小澤雄太)と滝口(小野塚勇人)、過去にヒロシのコンサートで強盗事件を起こした山下(秋山真太郎)とその事件以降、超能力が使えるようになった金城(八木将康)。そんな彼らにもまた、タケルの計画により<運命が激変>する出来事が…。目が離せないほど疾走感溢れる物語の展開と音楽が混ざり合い、新たな<JAM SESSION>が始まるー。

EXILE NAOTOの出演が決定!『JAM -the drama-』予告
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JAM -the drama- (ドラマ)
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jam (映画)
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