去年10月に人気アイドルグループ欅坂46(現・櫻坂46)を卒業、現在はフリーでデザインやアートを中心とした芸術分野や、ダンサーとしての挑戦をスタートさせている佐藤詩織さん。現在、自身でデザインした衣装、企画書や絵コンテなどの制作過程の資料、さらに欅坂在籍中に「二科展」で入賞した作品を集めた初の個展「SHIOResume」が開催中だ。『ABEMAヒルズ』では、そんな佐藤さんに欅坂時代のこと、現在、そして未来について話を聞いた。
「欅坂を10月に卒業したあと、11月くらいに映像作品を作りたいというのを思い立って、「Be true to yourself」という映像作品を4月に発表させていただいたんですけどその映像を作ったときにほかの形で最後アウトプットをして終えたいなという思いがあって、今回次にまた進んでいく、フリーランスとして活動して次に進んでいくいいタイミングでもあったので、個展をしたいなと思って考えました」。
中学時代、美術部に誘われたことがきっかけで美術に夢中になったという佐藤さん。美術系の高校を経て、武蔵野美術大学に進学した。欅坂46との出会いは、大学入学から間もない頃のことだった。大学の先輩からオーディションの存在を教えてもらい、「気になったものは何でもやる」という思いから受け、見事に合格。1期生としてのデビューを果たす。
「生活が本当に180度、変わったなって思いましたね。レッスンに向かって、夜になって帰って、学校の課題とかがあったらちょっとやって寝て、学校に行って…みたいな感じだったので。2年目もそうですけど、大学に行ってから歌番組の収録場に向かって、みたいな感じだったので、自分が常に2人いるみたいな感じだったのがすごく大変でしたね。
活躍されていた先輩の乃木坂46さんが築いてくれたものがあったから、私たちが最初から注目していただけたし、大きな舞台に立たせていただけたことも多くて。すごく素晴らしいものを見せないと、その場で(お客さんが)離れてしまうかもしれないというのもあったから、毎回本当に挑戦という感じだったんですけど、大変だった分、みんなと一から乗り越えて、本当に家族みたいになれました。
今回の個展で欅の時の絵を飾ってるんですけど、題名につけたみたいに、本当に自分の中の青春だなって思えるくらいの日々を過ごせたのが嬉しかったです。ツアーの時は東京に帰る日が1カ月の中で2日くらいしかない日もあったんですけど、本当に朝から夜までみんなと一緒にいる日々は、今思うと部活のような、THE青春って感じの、大切な時間だったなって思います」。
3rdシングル『二人セゾン』ではフロントメンバーにも選ばれるなど、高いダンス力でグループに欠かせない存在となっていた佐藤さん。そんな“青春の日々”から“卒業”を考えるようになったのは、大学入学時からの目標だった美術留学をするために休業を発表したことがきっかけだった。
「去年の3月末から留学をするはずだったんですけど、荷造りも終わってて、あとは行くだけという段階の時にコロナで行けなくなってしまって、休業を発表していたので、2回目にまた休業を発表するのもなって思っていた時に、グループ名が変わるというお話を聞いて、やっぱり新しくなって、前を向いてまた頑張り始めるタイミングでまた私が抜けたりするのは嫌でしたし、年齢的にも次の一歩を踏み出すには今なのかもしれないって思って。自分の中でアイドルと美大生を両立していたのはすごくありがたい時間でもあったんですけど、大学の友達が専門知識を身につけたりする中、授業にも出れてなかったりもしたので、どっちつかずになっていたのがすごく心残りというか、そろそろどっちかに切り替えてもいいのかなというのも思いましたし。そういうことが重なって卒業しようって思いました」。
様々な葛藤を経て去年の10月、欅坂46を卒業。「選択肢を狭めたくない」とフリーとしての道を選択した。そんな“作り手”としての活動も、欅坂46時代の経験があってこそだと話す。女性のしなやかな踊りとそれに合わせて舞う衣装、テンポよく変わっていくカットが印象的な映像作品『Be true to yourself』は、衣装のデザイン・制作から企画・構成まで、自ら担当した。
「グループを支えて下さっていたスタッフさんたちは、本当に愛を持っていろいろ考えていて。例えばCDを作りますというときも、歌詞、MVの世界観、ジャケット写真撮って下さる方もすごくこだわってくれてたし、ライブも照明から演出から、本当にトップのプロの方たちが考えて作ってくれていたので。それを身近に感じて表現できていたというのがやっぱり大きくて。映像を作りたいってなったときも、カット割りとかを頂いて見ていたからこそ、自分でも作ってみることができたのかなって思うし、何も無駄になることがなかった日々だったなって」。
セカンドキャリアとして着実に歩み始めた佐藤さん。今後の挑戦については、自分と向き合いながら決めていきたいという。「叶えたいのは美術留学。コロナが落ち着いて、行けたらいいなって思っていて。やっぱり新しい世界とか文化、空気に触れると、作りたいものも変わってきたりするだろうし。自分が置かれている状況によって変わるタイプの人間なので、新たなものを探しに行くためにも、人生で美術留学はしておきたいなと思っているので、そこは叶えつつ、あとはアート作品をお洋服に落とし込んで作れたらいいなというのはずっと思っていて、それも形にしていけたらいいなと思ってます」。(『ABEMAヒルズ』より)
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