女子キックボクサー最強「100戦5敗」の戦績は偽りではなかった…。欧州勢どうしの真っ向勝負の殴り合いは、相手の目が泳ぐほどの怒涛の連打でKO決着。後ろによろけながら崩れ落ちるダウンシーンにファンからも「相手がぐにゃぐにゃになった」「これから無双しそうな選手」など驚き称賛の声が上がった。
9月3日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE: EMPOWER」で行われたアニッサ・メクセン(フランス)とクリスティーナ・モラレス(スペイン)のアトム級 キックボクシングの一戦。欧州で“パウンド・フォー・パウンド”の呼び声高い女子キックボクサー、メクセンが2ラウンド怒涛の連打でKOし、ONEデビューを飾った。
女子キックボクサーのパウンド・フォー・パウンド、100勝5敗と驚異的な戦績とともにムエタイやキックのタイトルを総なめにしてきたアニッサ・メクセンのONE初陣。対戦相手のモラレスは2019年K-1の女子フライ級王座決定トーナメントのエントリーし、このときはKANAに敗れているが、同じく元世界タイトル経験者だ。
ゴング開始とともに、左右のパンチの連打からローと軽快な動きを見せるメクセン。対するモラレスも大きなモーションの左フック2発を打ち返すなど譲らない。さらにローとミドルを蹴り分けるなど、攻撃のバリエーションも豊富だ。至近距離でモラレスがボディを打てば、メクセンが相手の打ち際に奥足を蹴って返す堅実な試合運び。両者ともに積極的な打撃戦を繰り広げラウンドを終えた。
2ラウンド、距離を縮めてパンチというモラレスのやや単調な攻撃に対して、ヒット・アンド・アウェイでローや伸びるストレート、さらに下がりながら左ミドルなど、メクセンが徐々に試合の主導権を握り始める。ラウンド後半、バッティングでの短いインターバルから再開と同時にメクセンの右ハイが相手の顔面にヒット。これが効きモラレス動きが止まると、メクセンの怒涛の連打。ぐらつきながらも本能でパンチを振るモラレスは強い気持ちで前に出ようとする。この打たれ強さと気持ちの強さにファンからは「根性があるな」「よく倒れない」という言葉とともに「効いてる危ない」「ノーガードすぎる」と心配の声も。
その後も左右のパンチを貰いアゴが上がったモラレスはよろよろと下がりながら後方に崩れ落ちた。足に力が入らず、コーナーに寄りかかるようにして辛うじて立ち上がったが、焦点が定まらない状態。レフェリーがファイティングポーズを確認するが反応は鈍く、続行不可能と判断して終了のゴング。「NO」と声を荒げ、「まだやれる」と目を見開いてアピールしたモラレスだが、レフェリーがなだめるように負けを宣告した。
なかなかKOシーンが生まれ難い女子軽量級での打撃戦だが、圧倒的な破壊力で倒しきったメクセンの強さに「100勝は偽りじゃなかった」「全くもらってないもんな…」「相手がぐにゃぐにゃになった」「これから無双しそうだ」などといった驚きと称賛の声があがっていた。