11日、日本人を含む約3000人が犠牲になったアメリカ同時多発テロ事件(9・11テロ事件)から、20年を迎えた。アメリカのバイデン大統領は今月3日、遺族らの求めに応じ、事件の捜査資料などについて機密の解除を検討するよう、関係機関に指示した。
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同時多発テロ事件を契機に、アメリカはアフガニスタンに侵攻。現地では1978年ごろから民族や宗教に起因した争いが断続的に続いていたが、これによって本格的なアフガニスタン戦争が始まった。
時に衝突をもたらす、宗教の違い。ニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演したコメンテーターのアーサー・ホーランド牧師は、同時多発テロ事件が起こる前、アメリカの世界貿易センター周辺で“路上説法”(路上で宗教の教えを人々に説いて聞かせること)を行った経験があるという。
当時、世界貿易センターは世界一の高さ(約530m)を誇り、ニューヨークのシンボルになっていたが、同時多発テロ事件によって壊滅。センターとその周辺における民間人死者は2000人を超えている。
「(テロによって)あの高い建物が一瞬にして崩れ去ってしまった。アメリカは他国に攻められる経験があまりない国。だからこそ、同時多発テロはアメリカ人の心に大きな傷跡になって『戦うぞ!』といった意識が芽生えたのだろう。本来、宗教は愛を分かち合うものだが、“目には目を”と、過激的な思想を持った人によって争いが行われ、現実にまずいことがたくさん起こっている」(アーサー牧師・以下同)
本来、人を救うはずの宗教が、争いの火種になってしまう現実。アフガニスタンでは、先月末、20年にわたる米軍駐留が終了し、現在は最高指導者ムッラー・ムハンマド・オマル師が率いるイスラム主義組織・タリバンが、暫定的に政権を握っている。しかし、現地では、タリバンの兵士がデモ参加者の女性をムチで打つなど、暴力行為の報告もあり、治安悪化は避けられない状況だ。
「“インド独立の父”である、ガンジーが 『“目には目を”では、全世界を盲目にするだけだ(何も良いものをもたらさない)』という言葉を残しているが、同じように『やられたらやり返す』では、何も生まれない。人間はもともと弱くて罪深い存在で、宗教には人間が愛によって強くなる、そして社会を変えていくスピリットがあると思っている。要するに、どのように宗教を信じるか、信じ方と信じる人の問題だ。中には誠実に宗教を信じ、愛にあふれた人もいる。ジョン・レノンが『イマジン』で歌った『宗教の違いのない世界を想像してごらん』は、社会に傷を負わした存在について『こういう人たちだよ』と示しているように私には聞こえる」 (『ABEMAヒルズ』より)
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