「高市さんも岸田さんも、とにかくお金を撒くことしか言わない。改革が絶対に必要だ」自民党総裁選をめぐり橋下氏
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 11日のABEMANewsBAR橋下』にジャーナリスト・評論家の田原総一朗氏が出演。橋下徹氏と、自民党総裁選の立候補予定者の経済政策について語り合った。「菅(義偉)さんが一番信頼したのは竹中平蔵だ。ところがマスコミも含め、日本人の80%は“竹中批判”だ。竹中批判をしていれば安全だから」と切り出した田原氏。

 「小泉純一郎が一番信頼したのも、竹中平蔵だった。それまでの自民党出身の総理大臣は、みんな“大きな政府”。競争をあまりさせないで、社会保障をガーンとやる。田中角栄も、大平正芳も、中曽根康弘もそうだった。ところが小泉は初めて“自民党をぶっ壊す”と言った。それが“小さな政府”、新自由主義にするということだ。小泉時代は竹中が全部やって、支持率は高かった。今回、岸田(文雄)は“新自由主義反対だ”と言っているけれど、今の日本は経済が非常に縮小している。じゃあどうするんだというと、何も持っていない」と指摘した。

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 橋下氏も「竹中さんは、確かにものすごい批判を受けている。僕も張り合うぐらい批判が多いが(笑)。だけど、竹中さんに新自由主義というレッテルを貼るのは違うと思う。僕は切磋琢磨、新陳代謝、これが経済に必要だという竹中さんの考え方に共鳴している。でもそこに所得の再分配を必ずワンセットで入れると。竹中さんの時に格差が拡大したと皆は言うけれど、ちゃんと数字を見れば、ジニ係数だって、そんなに拡大してはいない」と賛同。

 「しかも竹中さんたちの考え方で国債発行額もどんどん少なくなって、いわゆるプライマリーバランス、つまり財政収支、赤字と黒字の差もどんどん縮まってきていた。ただ、これが一部の人たちから見ると既得権というか、今まで守られていたものをガンガンつぶされたということで反発が出ている。今回、岸田さんがそこに乗って“新自由主義からの転換だ”と言っている。これを多くの国民がどう受け取るかということだが、経済成長について岸田さんも高市さんも、とにかくお金を撒くことしか言わない。しかし、改革が絶対に必要だと思う。

 血管の目詰まりを取らないまま血液をどんどん入れ込んでも、体内にめぐっていかない。岸田さんや高市さんが言うように、緊急時に財政出動をかけてお金を出すのには賛成だが、まず血管の目詰まりもきちんと除去しないと。僕が政治家をやった経験から言うと、いろいろなところに一部の者がお金をためてしまう構造がいっぱいある。そういう不公平を正しながらお金を流さなければいけないのに、そこらへんの改革を言わないから大丈夫かなと思っている」。

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 田原氏は重ねて「お金を撒いても意味がない。アベノミクスは安倍(晋三)さんが日銀の黒田(東彦)と組んで“異次元の金融緩和”と言って、お金をガンガンまけば経済が良くなるということだった。でも、そうはならなかった。それを岸田も高市も、まったく勉強していない。

 安倍さんを弁護しておくと、第3次内閣になった時、アベノミクスは失敗だったと分かり、僕に相談してきた。当時の経団連会長の中西(宏明)とかトヨタの豊田(章男)社長とか、パソナの南部(靖之)社長にも会った。みんなすごい危機感を持っていて、このままいったら、10年先は日本の企業がなくなると言った。それで安倍さんは日本の産業構造を抜本的に改革すると打ち出し、西村(康稔)を経済再生担当大臣にした。僕も協力した。でも、その途中で辞任してしまった」と話していた。(ABEMA『NewsBAR橋下』より)

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