3年前までアフガニスタンで大臣を務めていた男性が、辞任した経緯を語った。
ドイツ東部の街・ライプツィヒで自転車にまたがりピザを配達する男性。3年前、アフガン通信技術大臣を務めていたサイード・サダト氏(50)だ。サダト氏は、現在の仕事について「“元大臣”というのは大した問題ではありません。私は今も人々のために働くだけです」と話す。
ガニ元大統領のもと、2年間にわたり通信技術大臣を務めたサダト氏。大臣時代にはアフガニスタン全土のインターネット環境を整備するなど、ITの発展に尽力した。辞任した理由は「政権の汚職」に嫌気がさしたからだという。
「アフガニスタンではどの政権も汚職がありました。多くのプロジェクトに投資された数百万ドルのうち、数千ドルのみが市民に使われましたが、残りの多くが汚職で消えていきました。私は国民のために予算を使おうとしましたが、大統領とは意見が食い違い、圧力もかけられたのです」(サイード・サダト氏・以下同)
テロ根絶のため“アフガンの民主化”に乗り出したアメリカ。多額の資金を投じ、親米政権が誕生したが、すぐに汚職がはびこり国民の信頼は失墜していったと話す。
「民主主義を導入するならその国を理解する必要があります。誰に対しても、力で民主主義を持ち込もうとするのは民主主義ではない。人々に受け入れてもらうことが大事なのです」
安全を求めドイツにやってきたサダト氏。今は時給15ユーロで働いているが、今後はヨーロッパとアフガニスタンの橋渡しを行うような仕事ができればと考えているそうだ。
「アメリカのアフガニスタン占領は大きな間違いでした。数兆ドルを浪費し、何十万人ものアフガニスタン人が死んだ。そして何千もの米兵や同盟軍も死んでいきました。結果的に残ったのは『混乱』のみです。私はアメリカがこの失敗から学んでくれると信じています」(『ABEMAヒルズ』より)
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