レッド・ホット・チリ・ペッパーズが、5年ぶりとなるニューアルバム『The Getaway』を6月17日にリリースする。すでにリードトラックとなる「Dark Necessities」とタイトルトラック「The Getaway」がデジタル先行でリリースされその一端を耳にすることが出来るが、今作における「新しいレッチリ」はどのようなものになるだろうか?ここまでの経緯を含め紐解いてみる。

6月17日に発売される『The Getaway』。紆余曲折を経て約2年の制作期間を経て完成した労作だ。最初にメディアで報道されたのは、アルバム『母乳』(1989年)から長年彼らの作品に関わってきたプロデューサー、リック・ルービンと離れて作られた作品だということだ。リスナーが真っ先の頭に思い描く「レッチリ像」を音にしてきた27年来のキーパーソンを制作から外したという事は大きな話題にもなった。

ルービンとの関係解消に関しては、チャド・スミスも「彼との仕事は大好きだが、今回はプロデューサーを替えて、敢えて違う方法で作りたいと思った」とインタビューで明かしている。

当初プロデューサー不在から始めたレッチリは、2014年の制作開始から20~30曲の楽曲が完成したタイミングで、フリーがスノーボード中に骨折し8ヶ月の中断。このことでプランは全て白紙となった。

作品制作が行き詰まりを見せたタイミングで救世主、ブライアン・バートンことデンジャー・マウスが現れる。シー・ローとのデュオ、ナールズ・バークレイでの活動や、エイサップ・ロッキー、近年ではU2、ベック、ブラック・キーズ、ノラ・ジョーンズなど実績のあるアーティストの作品を次々と手がけ「新たな違い」を生み出すという意味では最適な人材だ。

メンバーが口を揃えて語るの本作の印象は「凄くファンキーな作品」だということ。公開された「Dark Nesessities」「The Gateway」の2曲からは、環境の変化がつぶさに感じ取ることができる楽曲となっている。ミックスにはアトムス・フォー・ピースの作品でフリーとバンドメイトだったナイジェル・ゴドリッチが担当、長年手がけているレディオヘッドの作品などでも言われる「シンプルでクリアで無駄がない音」が、この先行リリースの曲からも垣間見える。

まだ発表されていない曲にも興味深いナンバーが目白押しだ。チャド・スミスがイチオシだと語る「Go Robot」は特にファンキーな曲でプリンスの「Controversy」にインスパイアされて作った曲。

また骨折で入院中のフリーに変わりギターのジョシュ・クリングホッファーがベースを担当した「The Hunter」では、お馴染みのバキバキのファンクベースに替わり、ポール・マッカートニーを彷彿とさせるメロディアスなベースラインを耳ににすることができるという。その他にもエルトン・ジョンがピアノで参加した「Sick Love」など、その幾つかはここ数週間のライブで初公開されているが、ネット上に公開されている映像を見る限り過去の定番曲に違和感無く溶け込んでいる。

リリースまで約2週間を切った最新作『The Getaway』。ネット上ではサウンド面での大きな変化にやや戸惑う声も少なく無いが、より新しい深みを増したレッチリ・サウンドとメンバーの予告通り「究極に踊れるファンキーな曲」が詰まった期待通りの作品になりそうだ。

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Red Hot Chili Peppers / レッド・ホット・チリ・ペッパーズ「The Getaway / ザ・ゲッタウェイ」|ワーナーミュージック・ジャパン
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