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イギリスで23日に行われた、EU・ヨーロッパ連合からの離脱を問いた国民投票は、開票の結果「離脱」の票が過半数を占め、離脱派が勝利を収めた。

同日放送されたAbemaPrime(AbemaTV)では特集が組まれ、イギリス在住のジャーナリスト・小林恭子さんと中継をつなぎ、現地の様子を伺った。

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小林さんによると、現地では残留になるとの予測が直前まで出ていたため、今回の結果には驚きの声があがっているとのこと。

離脱の結果になった理由について、残留派と離脱派の熾烈な戦いが繰り広げられる中で、離脱派の中心人物であるボリス・ジョンソン前ロンドン市長が発言した「主権を取り戻す」「選挙当日を独立記念日として歴史に刻もう」といった言葉に、突き動かされた人が多くいたことを挙げる。

また今回の国民投票が、残留と離脱のそれぞれを支持している社会の層が違った点についても指摘。

残留派は、生まれた時から、EUに加盟していたような若い世代の人が多く、また所得がある程度高い人が占めていた。一方、離脱派は高齢者が多く、また所得の低い人や、移民が来ることで仕事が奪われることに懸念を感じる人が多かったため、投票でも勢いが違ったとのこと。社会の層が分かれたことで、国民が二分されたことは、今後問題になっていくと懸念を示した。

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さらに番組では、イギリス出身である明治学院大学国際学部教授のトム・ギルさんにも中継をつないで話を伺った。

トムさんは「絶対に残留の結果になると思っていた。離脱派の人たちも勝つとは思っていなかったと思う」と、結果に驚いたとともにショックであったと語る。

「離脱派は右翼なタイプで、外国人を問題視し、イギリスの主演を守りたいと考える人が多かった。労働党を応援していた人は、本来は残留に投票するはずだったが、労働党を応援する労働階級の人が、離脱に投票した。(自分の)仕事を守りたいという空気があった」と話し「東ヨーロッパの新しいEU加盟国からの移民者が、低賃金で働いたりして、仕事を失ってしまう恐怖心が影響した」と今回の結果について分析した。

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さらに続けてトムさんは「離脱に投票した人たちが見逃しているのは、イギリスは小さな国で、日本と比較しても国土も国民も半分だ。EUの外で、世界の政治に影響を与えることはあまりできない。イギリスの影響力が希薄化することになると思う」と、故郷であるイギリスに対して不安の声を挙げた。

コメンテーターの東洋経済オンライン編集長・山田俊浩氏も「国民投票の難しさですよね。接戦したことは、その後しこりが残りやすい」と同じく今回の件がイギリス全体に与えた影響について懸念を示した。

今回の投票結果を受け、残留派を率いてきたキャメロン首相は辞意を表明。EUの離脱に向けての交渉は、新しい首相に任せるべきだとして、10月までに新しい首相を決めるべきだとの考えを示した。イギリスは2年をかけてEUとの離脱の交渉に入ることとなる。


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