前回王者フランスの若きエース、エムバペ。その特長は何と言っても爆発的なスピードだろう。さらに、しなやかな足さばきや強靱な体格を生かしたキープ力、鋭い判断力やどこからでもゴールをかぎ分ける嗅覚など、どのプレーをとっても超一流のストライカーだ。
【映像】2大会連続優勝を目指すフランス代表の若きエース・エムバペ
フランスが自国開催のW杯で優勝した1998年に生まれたエムバペは、若くしてその才能を見いだされる。2013年にフランスリーグ一部、モナコのユースチームに入団し、2015年に16歳でプロデビューを果たした。
モナコで得点を量産したエムバペは、その活躍により2017年にフランスの強豪、パリ・サンジェルマンへ移籍。4シーズン連続得点王に輝き、昨シーズンはチームメイトであるブラジル代表・ネイマールやアルゼンチン代表・メッシとともに圧倒的な攻撃力を見せ、リーグ優勝に貢献した。
また、フランス代表には2017年に18歳の若さで選出。初出場となった2018年ロシアW杯では19歳という若さで背番号10を背負い、グループステージのペルー戦ではチームを勝利に導く決勝点を挙げた。そして、圧巻のパフォーマンスを見せたのは決勝トーナメント一回戦。メッシ擁する強豪アルゼンチンとの対戦では、試合を決定づける2ゴールをマーク。
さらにクロアチアとの決勝戦でも、ペナルティーエリア前から右足を振り抜き、優勝を決定づける強烈なミドルシュートを決めた。10代の選手で決勝ゴールを決めたのは、“サッカーの神様”こと元ブラジル代表FWのペレ以来、60年ぶり史上2人目の快挙となる。
19歳で4ゴールの大活躍だった前回大会を経て、2大会連続優勝を目指すフランス代表。欧州予選では圧倒的な力を見せ、エムバペは本大会出場を決めたカザフスタン戦で4得点をマーク。今シーズンもパリ・サンジェルマンで好調を維持する今年まだ23歳の若者が、カタールの地でさらなるゴールを積み上げる。