2月4日、開催される「パンクラス293」のメインイベントで、仙三の持つフライ級キング・オブ・パンクラシストに挑戦する若松佑弥。これまでの戦績9勝1敗、そのうち8KOと、勝てばほぼKO勝ちという、パンクラス期待の22歳を追った。

「TRIBE TOKYO M.M.A」所属、日本のMMAのパイオニア、長南亮の門下の若松は、2015年にプロデビュー。パンクラスの新人登竜門「ネオブラッドトーナメント」で3戦3TKO勝ちという衝撃とともに、その後もKOの山を築いてきた。

普段は所属ジムの講師をする傍ら、トレーニングの日々を過ごす若松。鹿児島でとび職をしていたものの、ある日UFCに出会い「トビとかやってる場合じゃねえなと思って、もしコイツらに街であったらやられちゃうな」と一念発起。「強くなりたい」という極めてシンプルな衝動が若松を総合格闘技世界への道に駆り立てた。

ここまで持ち前の格闘センスで勝ち続けてきた若松は、典型的な天才タイプのファイターだ。打撃のコツを問われると「自分の打撃が1番強く当てられる距離が分かっていれば、そこでただ自分も距離を作って強く打つ、あとは感覚的に当てるだけ」と答えは実に直感的。

その点は天賦の才能という表現がピッタリ当てはまるが、ここへ来てグラップリング技術を磨くなどさらなる技術の探求も怠らない。

若松の本質を表現する意味ではグラップリングを学んでいるロータス世田谷の八隅代表の言葉が印象的だ。「喧嘩が強くて勢いがある。UFCで下積みできる選手だと思います。下積みしつつ走っていける、勝っても負けても、次、次、次と進んで行く選手。勝っても負けても応援したいし、まだまだ伸びる」

生粋の喧嘩屋が、そのまま格闘技の世界でどこまで通用するのか?純粋な興味もそそられるが、さらにスポーツ競技化が進む現代MMAにおいて、何が必要なのか、若松は明確なビジョンを持ち技術を磨き続けている。

22歳でパンクラスのタイトル戦線に加わる快進撃にも極めて冷静だ。「キックでもボクシングでもみんな10代とか20代前半でチャンピオンで金を稼いでいる。だから総合格闘技でそれを早くやりたいなと、自分の中ではもうUFCに行って去年のうちにチャンピオンになっているつもりだったので、まだまだ理想ではないですね」と明かす。

パンクラス王者については「ここでチャンピオンになることでKO率も戦績も上がるしベルトも手に入る、UFCへの最高のアピールのチャンス」とあくまでも通過点とさらり言ってのける。

昨年悲願のフライ級王座奪取に涙した35歳の仙三に対しても怖いもの知らず22歳、若松佑弥。対称的な2人の対決を前に若松は「あんまり言っちゃなんですけど、(仙三は)ぶっ飛ばされるのが運命なんじゃなかな。記念すべきチャンピオンになる時なので劇的なKOをして会場をぶち上げたい」あくまでも強気だ。

飛ぶ鳥を落とす勢いに若松にとって「キング・オブ・パンクラシスト」が単なる通過点になるのか、生粋の喧嘩屋にとっての初の挫折になるのか?注目の一戦になりそうだ。

PANCRASE293 02.04 | AbemaTV(アベマTV)
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