「どんな状況でも勝つヤツが強い」ONEで大一番に臨む高橋遼伍の“MMA進化論”
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 修斗からONE Championshipに参戦している高橋遼伍は、自身の闘いを“解体ショー”と呼んでいる。得意技はローキック。一発で仕留めるのではなく段階を踏んで相手をバラバラにしていくというイメージだ。

「最初はスベッてるかなと思いながら、言い続けたら定着してきましたね。継続は力なりで(笑)。“頑張ります”とか、ありきたりな言葉じゃつまらない。独自の言葉で自分を表現したほうがいい」

 今でこそ相手のふくらはぎを蹴るカーフキックが脚光を浴びているが、以前はMMAにおいてローキックでフィニッシュまでもっていける選手は珍しかった。だが高橋は「ローが効果的だという確信はありましたね」と言う。それどころか「ヒザ下へのローがMMAのスタンダードになる」と考えていたそうだ。

「近い将来、MMAは“ヒザ下ローをどれだけ先に当てるかゲーム”になるなと。そうなると間合いの外し合い。お見合いが増えるんじゃないですか。ダメージあるし遠い距離から蹴るから自分の疲れは少ないんで、みんな使いたがるなと。そうなると、お互いの間合いが遠くなるから関節蹴り、サイドキックという長い距離の攻撃も有効になってくる。でもそれでは終わらなくて、みんながローを警戒するようになればパンチも当たるわけですよ。今度はボクシングがうまい選手が有利になってくる。距離を潰してタックルにいくとか。そうやって闘い方が変化して、グルグル回っていくと思いますね」

 強力なローキックという武器を持っている高橋だが、それに頼り切って勝ってきたわけではないのだ。MMAという競技について深く考えをめぐらせた、その成果としての“解体ショー”なのである。

 次戦は1月10日のONE・バンコク大会。高橋はタン・リーと対戦する。リーはテコンドーをベースに持つ選手でベトナム系アメリカ人。TUF、LFAでキャリアを積んでおり、高橋も「UFCに行く選手が多いLFAでベルト獲ってますからね。そういう選手がONEに来ているわけで」と警戒している。

「僕はローキックが警戒されてるけど、実はパンチでプレッシャーをかけてるんです。そうすると相手は作戦を変えざるを得ない。だからローが当たるようになる。そういう駆け引きができるようになってきました」と高橋。そして今回のリー戦は「本当に駆け引きが大事な試合になる。相手はかなり距離に敏感な選手だと思いますね」。

 前回のONEでの試合は勝ったもののブランク明け。消化不良の部分もあった。だが今回は「言い訳が効かない試合。ブランクもないし、しっかり準備して臨む試合なので」。付け加えて「ブランク明けとかも言い訳にはならないんですけどね」とも。

 そもそも高橋は、言い訳なしの強さを求めてONEに参戦しているのだ。

「理想を言えば日本で試合をして、日本のお客さんに喜んでもらいたい。でも環境が違う海外で勝ってこそ、とも思いますね。言葉も通じるし水も安全、そんな日本で調整して勝つのは当たり前なんで。ONEはケージでの試合とリングでの試合があって、僕はケージのほうがいい。でもそれも含めて、どんな状況であっても勝つヤツは勝つし、本当に強いのはそういう選手だと思ってます」

文・橋本宗洋

【視聴予約】1月10日(金) 19:30~ ONE Championship バンコク大会

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