青木真也「落ちても受かっても人生は続いていく。落ちたこともうまく転がすくらいの力量をつくれ」#格闘技に夢はあるか?
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 “波乱万丈の人生を生きる金の卵たち=DREAMERS”が、LDH martial artsとの契約をつかみ取り、自らの人生を変えるべくABEMALDHが始動させた格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』でのサバイバルに挑んでいる。

 番組のテーマは「拳でつかみたい、夢がある」。とはいえ、厳しい生き残りをかけ、目の前に訪れる数々の試練を乗り越えた先に、思い描いていた夢は果たして存在するのか…。そこで夢を叶えるべく格闘の世界に飛び込む若者が増えるいま、日本の格闘シーンの一線で活躍する選手や関係者に、「格闘技に夢はあるのか?」という共通のテーマをストレートに投げかけるリレー形式のインタビューを実施。第1回目は修斗やDREAMで活躍し、日本の“MMA総番長”としてONE Championshipで闘う青木真也選手。気になる彼の答え、胸の内とは――。

― 格闘技に夢はあると思いますか?

夢っていうと曖昧ですけど、自己実現するひとつの手段としては優秀だと思いますよ。好きに生きる、好きなことをして遊ぶというツールとしては最高じゃないですか。それで金が儲かるかどうか、金を稼げれば幸せかというのは、また別の話だと思いますけど。

― そもそも格闘技に対する憧れや夢を描いた経験は

僕にとって、それは新日本プロレス。小学校4~6年くらいのときです。1992年~95年くらいの新日本ジュニアですよ。憧れていたことをやりたい、という意味では(格闘技には)夢がある。ただ、格闘技をはじめた頃はない! そこはもう稼げたら、と思っていた。でも、金を稼ぐっていう文脈でいうと、最低限あればいいと思うよ。ある程度あればいい。それ以上はやっぱり自分が好きなこと、自己実現ができることをやれた方がいいんじゃないんですかね。

― 稼げるようになったら、夢は戻ってきましたか

いや、あんまりお金を多く稼いだ年が充実してたか、面白かったかっていうと、また別の話。僕はあんまりそこ、関係ない気がします。コナー・マクレガー(UFC) のいう100億稼ぎたいとか、何十億稼ぎたいとかは全くないです。それよりも、自分のほどよいことで好きなことをやって、ほどよい自分のリスクとお金を稼ぐこと、自分のやりたいことのバランスをうまくとっていきたい。

― 今って格闘技を通じて自分の夢ってあるんですか?

格闘技を通じて夢…できるだけこの刺激的な生活をずっと続けていたいというだけです。夢はないのかもしれない(苦笑)。夢って見るものですからね。あんまり「夢を持て!」みたいなことはないですね。

― 今、昔のPRIDEを見ていた世代が親になって、子どもが小さい頃から格闘技をやることが増えている。天才キッズみたいなのがあちこちにいる。そういう子どもたちは夢を抱いていると思うが、青木さんが言葉を掛けるとしたら

結局PRIDEとか昔の新日本プロレスやK-1もそうですけど、物語にある演者であり、格闘技は壮大な人間ドラマだから。そこに「夢はあるけど、ただ強いことに魅力はねえぜ」っていうのは言いたいですよね。どこまでいっても芸事だし、どこまでいってもプロ興行だから、そこをはき違えると難しい。

― 今後、格闘技のキャリアを通じて叶えたい夢とかはありますか

格闘技を通じてやれるとこまでやって、ボロボロになることが夢。面白くないですか? ボロボロになって、闘えなくなって、60とか70まで生きちゃったときがヤバいですよねえ。身体が立ち行かなくなる、闘えなくなる、みたいなところまでいかないと、もう意味がない、最終的な着地ができないで終わることになっちゃうんで。自分の物語を起承転結でちゃんと結ぶってことを考えると、ボロボロになって、もうみんな「やめてもいいよ、やめたほうがいいよ」って言われるとこまでやることが責任ですよね、と思いますけど。33歳から34歳で、もうちょっとボロボロになる可能性があったんですけど、それがあんまりこなくて。コンディションはとにかくもう少しいけるんじゃないかなって思っていますよね。

― そのときはどんなところで闘っていて、どんなメッセージを発していると思いますか?

例えば後楽園とか、もっと小さな新宿FACEとかで闘っても、それなりに興奮するとは思いますけどね。自分自身が興奮するというのは重要な気がしています。今はみんな「金稼げるから」いうけど、そんなの青いっすよね。格闘技じゃなきゃ見られない夢じゃないと、格闘技で達成する意味はない。さっきも言ったように、金は稼ぎたいなら他のことやった方が効率的だし。

― 「格闘技でしか達成できないこと」をいくつか言葉にするとしたら

試合に勝ったとき、負けたときの快楽、そして解放感や日々の充実感。だから、やっぱり好きじゃないとできないし、格闘技じゃないといけないって人じゃないと厳しい。

― 青木さんは夢を見ている、というか格闘技の夢の中に生きてる感じなんですか

う~ん…だから、夢遊病(笑)。浮世離れかな、浮世離れ。結局やっぱり格闘技をやることで救われている人しか格闘家にはならないから。夢はあるのか、というより、お前ら格闘技に救われてんのか、って思いますけどね。格闘技に救われている人はやっぱり格闘家であるけど、他のことでも救われるんだったら、それは格闘家である必要はないですからね。

― 『格闘DREAMERS』はLDH martial artsの契約をかけたオーディション番組です。格闘家を目指す選手たちにメッセージはありますか?

残念ながら落ちても受かっても人生は続いていく。落ちたこともうまく転がすくらいの力、力量をつくって欲しい。勝っても、勝ったことや残ったことを転がす力量はつけていったほしいなと思います。

格闘DREAMERS - 本編 | 格闘 | 無料で動画&見逃し配信を見るなら【ABEMAビデオ】
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