パンチラインとか上手いこと言うみたいなメンタリティに直結したラップのリリシズムがどんどん過去のものになっていく今、WENYが身をもって示す無意識の自然体は、2017日本のど真ん中。歌とラップのへだてないシームレスなヴォーカル術とメロディセンスが曲に血を通わせ、耳にこびりつく。Jポップでもシティポップでもなく、「Process」や「Private」をカラオケに入れるべき。
DOGEAR周辺やKANDYTOWN勢の作品でもトラックメイカーとしてその名を広めるMASS-HOLEと、同じ松本のMC、KILLIN’G(麒麟示)の初デュオ作。90’s色濃いブームバップと眼光鋭いリリック、ラップがヤワな輩とこのご時世をしたたかに撃つ、これぞ野郎のハードコアヒップホップ。好きモノはたまりませんな。〈リアーナなんか聴けないぜ〉とのラインもまさにの一作デス。