歓喜のリーグ制覇からの惨敗、その根本的な原因を“ゼウス”は早々に口にした。「油断した、Mリーグをナメていた…」。ポイントの積み重ねがチームへの貢献を示す重要指数とすれば、連対率0.38は赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)にとってあまりにも低い数字。あらゆるルールのタイトルで優勝し、何より長期のリーグ戦でマイナスすることすらほぼない鈴木が、最後まで苦しみ続けた1年だった。
-2019シーズンを振り返って。
鈴木たろう(以下、鈴木)
麻雀って結構勘違いしやすいゲームだと思うんですが、初年度優勝したことで、慢心や油断があったと思います。自分たちは変えないけど、周りは対策をしてくる。1年振り返ると、そういう部分があったかなと思っています」。
-「マイナスとマイナスの選択で、麻雀にワクワクできなかった」と語っていました。
鈴木
マイナス同士の選択は、うまくいってもたいしたことないし、失敗するとひどく見えがちなので、あまりやりたくないですね(笑)ワクワクする手がくれば、選択を間違えない自信はあります。
-挽回を期して、2020シーズンへ準備していることは?
鈴木
自分たちとは違うコミュニティー文化があって、それを理解することが大事だと思います。違う文化を持つ人が、どんな戦い方をしてくるか、それを理解したうえで最適戦略を練るということですね。(自団体とは)違う文化を持つプレイヤーが多いことがやりにくくて、去年でいうと園田(賢)の仕掛けが潰されがちで…。本当はその文化の中で誰かが抜け駆けするのが大事なのですが、そういう感じでもないので。
1年目は見事な優勝を果たしたチームも、2年目は鈴木自ら認める「慢心、油断」によってリーグ7位に沈んだ。今年はその慢心、油断というものを一切許さず、他選手、特に他団体でプレーする選手の研究をしっかりした上で戦う。
-丸山奏子さんの起用については?
鈴木
ポイントに余裕があれば起用しやすい。彼女にとって甘えにはなるかもしれないけれど、起用しやすいように僕ら(自身に加えて園田賢、村上淳)が結果を残す、ということです。
チームの紅一点である丸山の出番はファンも望むところ。その場面を、ポイント上でも余裕を持って迎えられるほど、男性3人で勝ちまくる。「ファンの方に楽しんでもらえる麻雀を打つ自信はあります」と鈴木は力強くインタビューを締めた“ゼウス”の算段にもう油断はなく、10月6日の開幕戦へ照準を合わせている。
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。優勝賞金5000万円。