堂々のMVP宣言だ。“魔王”と称される圧倒的な攻撃力をプロ麻雀リーグ「Mリーグ」でも存分に見せつけ、2シーズン連続で好成績を収めているKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)。しかし2019シーズンの+80.7という個人スコアは、チームの絶対的なエースであろうとする本人にとっては満足できる数字ではなかったという。どこまでも強気で貪欲な佐々木がぶち上げた2020シーズンの目標は、MVP(個人スコア1位)と+500ポイントという前人未到の数字だった。
-2019シーズンもエースとして貯金を作ったものの、チームのファイナル進出は叶わなかった。
佐々木寿人(以下、佐々木)
藤崎(智)さんが加入してチームとしてのバランスがかなり良くなって、レギュラーシーズンは非常に手応えがあったんですけど、結果的にファイナルに進めなかったことはすごく悔しかったです。個人スコアについては、前原(雄大)さんから「300くらいは勝ってほしい」と言われていましたし、それくらい稼げればもっとチームを助けることができたので、プラスとはいえ決して満足できる数字ではありませんでした。
-今シーズンもリーチを連発する超攻撃的な麻雀を見せてくれるのか。
佐々木
メンゼン主体で、とにかくリーチ棒を投げていくような麻雀は変わりません。プロに入ってから15年くらい、ずっとそのスタイルでやってきましたからね。たぶん1シーズンで10万点くらいはリーチ棒を出すことになると思います(笑)。あとはリーチの精度をどれだけ上げられるか、どれだけアガリに結びつけることができるかが鍵になるのかな、と。
Mリーグが採用する一発・裏ドラ・赤牌ありのルールは、リーチを主体に猛然と攻めるスタイルとの親和性がきわめて高い。「リーチで相手を少しでも曲げさせられればこちらのプラスになるし、タイミングさえ合えばどんな手でも満貫になる」というのが、2シーズン連続で“最多リーチ”を記録した佐々木の持論だ。
-佐々木選手やKONAMI麻雀格闘倶楽部の攻撃的な姿勢に惹かれるファンも多い。
佐々木
やっぱり麻雀格闘倶楽部ならではの攻撃力と、多少リスクが高くても要らない牌をどんどん切っていく姿勢。このチームカラーは失いたくないです。今シーズンもみなさんにスカッとしてもらえるような、わかりやすくて楽しい麻雀を見せたいですね。SNSにも「エネルギーをもらいました!」とメッセージが来たりするんですけど、僕らの麻雀でそう言っていただけるのが一番嬉しいです。
-ずばり、2020シーズンの目標は?
佐々木
チームとしての優勝はもちろん、個人スコアの首位(MVP)は狙いたいですし、ポイント的にも+500くらいはぜひ目指していきたいですね。理想としているのは独壇場。いかに相手を叩き潰すような麻雀を打てるか、というところです。それが叶えば、チームの成績が多少悪くなってもエースとして引っ張っていけると思います。
過去2シーズンで個人MVPに輝いた渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)とセガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)のポイントはいずれも+400台。仮に宣言通り500ポイントを達成すればMVPは濃厚であり、加えてMリーグでは史上初の大台突破となる。チームの勝利も個人のスコアも決して妥協しない“強欲魔王”となった佐々木が、今シーズンこそMリーグを征服して独壇場を演出するか。
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。優勝賞金5000万円。