個人タイトルは「今さら1つ2つ増えても…」と眼中なし Mリーグ屈指のバランサー・藤崎智「どうしてもチーム優勝がしてみたい」/麻雀・Mリーグ
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 KONAMI麻雀格闘倶楽部・藤崎智(連盟)のMリーグにおける役割は、さしずめ“縁の下の力持ち”といったところだろうか。2019シーズンにドラフト指名された当初から「チームの楔(くさび)」になることを意識し、堅実な麻雀で高い4着回避率を記録。超攻撃的な麻雀を標榜するチームメイトたちが思い切って腕を振れたのは、苦しいときでもラスを引かずに粘ることができる藤崎の存在があったからに他ならない。日本プロ麻雀連盟の最高峰タイトルである「鳳凰位」を保持して開幕を迎える“麻雀忍者”は、個人の記録には見向きもせずにチームの優勝だけを見据えている。

【動画】藤崎智、2019シーズンハイライト

-初参戦となった2019シーズンをどのように評価している?

藤崎智(以下、藤崎)

 KONAMI麻雀格闘倶楽部に指名された時点で、「自分がポイントゲッターになることはない」と考えていました。もう若手でもないですからね(笑)。個人成績はマイナスでしたけども、自分がチームに加わり、レギュラーシーズンは1日に2連続でラスを引くことがなかった。その点は良かったのではないかと思っています。

-20戦で4着はわずか3回。3着11回と粘りの麻雀を見せた。

藤崎

 3着を狙っているわけではないんですけどね(笑)。そう解釈していただけると嬉しいです。もちろん、3着の中には腕を振っていけばトップを取れた半荘もあったかもしれません。とはいえ、チームとしての理想形はあくまでも他の3人(佐々木、高宮、前原)が攻めること。僕も人間なのでたくさんトップを取りたいですし、ちょっと腕を振りたい局面もあるにはあるんですけど、やっぱり華のある3人に思い切り攻めてほしいのでね。僕の成績が少しマイナスしていても、優勝できればチーム全体の勝利になりますから。

 全選手が各企業のチームに所属し、ファンの思いを背負って戦う団体戦のMリーグとはいえ、ここまで“フォア・ザ・チーム”に徹することができる選手は藤崎だけだろう。その背景には、2度の「鳳凰位」に3度の「十段位」と、所属団体の主要タイトルを数多く獲得してきたトップオブトップのプロ雀士ならではの価値観があるようだ。

-Mリーグでここまで個人成績に執着しない選手は珍しい。

藤崎

 僕は本当に恵まれていて、これまで実力以上にいろいろなタイトルを獲らせてもらいましたから、今さら個人のタイトルを1つ2つ増やそうとは考えていないんです。でもやっぱりMリーグに参加している以上は、どうしてもチーム優勝がしてみたい。本当にそこだけにこだわっていきたいです。

-最大目標である優勝に向けて、思い描いている作戦は?

藤崎

 うちのチームの場合は僕以外の3人がポイントゲッターで、野球なら全員クリーンナップ、サッカーで言えばフォワードが3人並んでいるようなもの。守備の面を気にせずに攻撃に特化した麻雀を気持ちよく打たせておけば、3人のうち2人はポイントを稼いできてくれるでしょう。その環境や気持ちの部分をいかに作っていけるかが、僕の仕事だと思っています。仲間たちを輝かせることが優勝するための一番の作戦ですし、ファンの方に喜んでもらえる“麻雀格闘倶楽部のスタイル”ではないでしょうか。

 Mリーグに所属する多くの選手が最先端の難解な戦術を用いる中、攻撃に振り切ったチームとしての明快な雀風について、「シンプルな麻雀でも勝てることを証明したい」と語る藤崎。誰よりもKONAMI麻雀格闘倶楽部の麻雀を愛し、チームメイトを信頼しているからこそ、2020シーズンはバランサーとしてチームに貢献する姿勢をより明確にしている。自ら黒子役を買って出た藤崎が、卓上で魅せる熟練の“忍術”の数々に注目したい。

◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。優勝賞金5000万円。

Mリーグ2019 - Re:mind - M.LEAGUE 2019 Re:mind KONAMI麻雀格闘倶楽部 藤崎智
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