「30人目のMリーガー」は、どこまでも大胆不敵だった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」10月9日の第1試合でKADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾(協会)がリーグデビュー戦を3着で終え、インタビューでは「トップを狙っていたので残念」とふてぶてしさを見せた。
今期、唯一の新加入Mリーガー堀は自団体の協会において雀王のタイトルを持ち、最高位戦の第12期最高位戦Classicも獲得している実力者。「ガチ補強」と呼ばれた堀の加入によってチームはさらに厚みを増し、2年目の戴冠に向けて戦力を整えた。そして満を持して登場したのがこの日の第1試合だった。
堀のデビュー戦はまさかの「オリ打ち」からスタートした。東1局、朝倉のリーチを受けて安全牌がない堀は、中筋の4索を選ぶとこれが一発でロン。リーチ・一発・赤の5200点を放銃した。インタビューではこのシーンを「当たるんだな…って」と淡々としたコメントで振り返った。
ここで堀は語らなかったが、ここで4索を切ったのは当然の理由もあった。赤のあるルールにおいて、リーチではたとえ中筋でも4と6は危険。ただしこの時の朝倉の手順は7索が先切りされ、その後に手出しの1索が宣言牌だった。「5」は特に重要であり、「357」の形が「135」の形より優先されることは少ないこのルールだからこそ、この切り巡は4索がかなり通りやすいと判断できる。
堀にとって不都合だったのは、この時の朝倉はチャンタ含みのイーシャンテンであったこと。そして、それが崩れるツモ6筒だからこそのカン4索待ちとなり、放銃となってしまった。
しかしここで終わらないのが「ガチ補強」で呼ばれた選手であり、「ポイントを持って帰る」ことが任務の堀。南2局1本場に満貫をツモって、嬉しいリーグ初アガリを決めると、その後も再度満貫をツモり、オーラスは跳満イーシャンテン、ツモれば逆転トップというところまでこぎつけ、ファンを沸かせた。
インタビューでは「緊張は特にしなかった」と語り、「デビュー戦は1回しかチャンスがない。ちょっとトップを意識してたんで、好きに打たせてもらいました。オーラスも自分勝手に跳満狙ってたんで」と強心臓っぷりを見せつけた。
デビュー戦、動じずにいつも通り打ち、インタビューもこなした堀には「しゃべれるね」「あの手牌で3着ならオッケー!」とファンから今後を期待するメッセージが多数投稿されていた。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)