その実力は紛れもなく「本物」だった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」10月13日の第1試合は、今期より新たに参戦したKADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾（協会）が5万点超のトップで嬉しい初勝利をゲット。チームを優勝へと導くポイントゲッターとしてドラフト指名された男が、デビュー2戦目で早くもその真価を見せつけた。
この試合の対局者は、起家からTEAM雷電・黒沢咲（連盟）、EX風林火山・勝又健志（連盟）、堀、U-NEXT Pirates・瑞原明奈（最高位戦）。Mリーグに参戦する全30人中唯一の新加入選手である堀にとって、10月9日の第1試合以来の自身2戦目となった。
自団体の日本プロ麻雀協会において最高峰のタイトルである「雀王」を保持し、Mリーガーを含む多くのプロからその雀力の高さを絶賛されている堀。4位に終わった昨期からさらに上位を狙うKADOKAWAサクラナイツにとって堀の加入は“ガチ補強”に他ならず、本人も「ポイントを持って帰るのが僕の仕事」と公言してはばからない。9日のデビュー戦は果敢にトップを狙って3着に終わるも、「緊張はしなかった」「好きに打たせてもらいました」と大胆不敵にコメントし、今後の活躍を予感させるに充分な内容だった。
高い前評判に、新人Mリーガーらしからぬビッグマウス。結果が伴わなければ批判に晒される可能性もあるものの、即座に満点回答を示すのが「本物」である所以だ。親番の東3局1本場、わずか5巡で大物手をテンパイすると、堀はリーチをかけずにダマテンに構えて高目の8索をツモアガリ。ツモ・タンヤオ・平和・三色同順・赤・ドラの1万8000点（＋300点、供託1000点）という強烈な一撃で、一気に4万点台のトップ目に浮上した。
さらに圧巻だったのは南2局。僅差で競り合う親の勝又がドラの中をポンして濃厚なテンパイ気配を漂わせ、ラス目の瑞原からリーチがかかる中、堀は仕掛けを駆使して迂回路から2人の戦いに切り込んでいく。最後は安牌が不足した黒沢から七万を直撃し、タンヤオ・赤3で8000点（供託1000点）を加点。自ら激戦区に飛び込んでアガリを奪取したファインプレーに、視聴者コメント欄には「堀さん見事」「すげー押し」「鳴くのうますぎるわ」と感嘆の声が並んだ。
親番の南3局でも好配牌をしっかりと仕上げ、リーチ・ツモ・平和・赤・ドラの12000点で大量リードを構築。解説を務めた渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）も「堀が大きく見える」と語るほどの存在感と支配力を発揮し、5万点を超える点数をキープしたまま余裕のトップでフィニッシュした。
チームグッズのマフラータオルを首から下げて試合後のインタビューに登場した堀は、「いやあ、嬉しいですね」と初勝利の喜びを噛み締めた。いかに強心臓と言えど、初戦の後には「いろんな方からいろいろ言われたり……。そういうのあまり慣れていないんで、びっくりしました」とMリーグならではの反響の大きさに驚かされることもあったようだ。
これまでにない注目度の高さやチーム戦という環境にも、「どちらかというと好き勝手にやるタイプ。それを変えてしまったり、遠慮してしまっては僕ではない」と自分自身の麻雀を貫き通し、早2戦目にしてドラフト指名の正しさを証明してみせた堀。自らに課した「ポイントを持って帰る」という“ガチ枠”の仕事をさらりとこなした超実力派ルーキーに対し、ファンからは「堀の強さは本物だわ」「堀さん強すぎる」「マジで強い」といった感想が続々と寄せられた。
【第1試合結果】
1着 KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾（協会）5万1200点／＋71.2
2着 EX風林火山・勝又健志（連盟）2万4900点／＋4.9
3着 TEAM雷電・黒沢咲（連盟）1万6900点／▲23.1
4着 U-NEXT Pirates・瑞原明奈（最高位戦）7000点／▲53.0
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
