開かれた手を見て、思わず対戦相手も表情を変えた。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」10月19日の第2試合でU-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)が“黒いデジタル”と呼ばれる戦術を披露した。
東2局に親番を迎えた石橋伸洋は、赤2枚を手中にして、テンパイを果たす。ドラが3筒であることからシャンポンではなくカン4筒のリーチに出た石橋だったが、その宣言牌は誰もが予想しない、赤5筒だった。
これには解説の内川幸太郎(連盟)も「魅せてきましたね!」とビックリ。視聴者のコメントは「やりやがった!」「黒いデジタル」「これどうなん?w」とこの一手に騒然となった。
アガリには結びつかず、流局で開かれた手を見たEX風林火山・滝沢和典(連盟)は思わず苦笑い。その後のインタビューで滝沢は「やってんな…と思いました」と正直にその瞬間の心情を打ち明けるほど、石橋の戦術はインパクト大だった。
またチームメイトもこれにはすぐに反応。朝倉康心(最高位戦)はツイッター上で「今後の石橋さんの赤5切りリーチに同色牌が安全牌じゃなくなる、それによる得を買うための布石」と解説していた。
観戦者を賑わせる一幕だったが、赤5筒を置いたリーチの場合、5筒をまたいだリャンメン待ちではロンと言われないだろう(4・5・赤5もしくは5・赤5・6とあれば通常は黒い5筒を切ってリーチするため)という、牌の組み合わせの理屈を逆手に取った奇襲だ。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)