覚悟を決めたドラ単騎待ちリーチ。両手を合わせて祈るような仕草が、ファンの視線を釘付けにした。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」1月7日の第1試合で、セガサミーフェニックス・和久津晶(連盟)が見せたポーズに「乙女の祈り」「キュンキュンした」と注目が集まった。
8チーム中最下位に沈むセガサミーフェニックスにとって、正念場となったこの日の第1試合。なんとしても好結果を残したい和久津だったが、南3局1本場を迎えた時点で7400点持ちのラス目と苦しい状況に追い込まれていた。
4巡目に役なしのテンパイを入れた和久津は、即リーチを打たずに変化を待つ。すると2巡後にドラの3索を引き入れて、暗刻の2筒切りのカンチャン4索待ちか、5索切りのドラ単騎待ちかの選択で小考。解説を務めた土田浩翔(最高位戦)は「カン4索でしょう」と予想したが、和久津の選択はツモれば満貫が確定する3索の単騎待ちリーチ。この時点で山に残った枚数は3索が2枚、4索が1枚と、少しでも高打点を目指す選択そのものは決して間違っていなかった。
しかし和久津が欲しいドラの3索は、下家のKADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)、そして対面の渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)が次々に吸収してリーチの3巡後には山0枚に。するとこの緊迫した場面で、和久津が両手を顔の前で合わせて祈るようなポーズが中継のカメラに抜かれた。指先が冷えたのか、あるいはなんとしてもアガりたいという切実な気持ちの表れか。理由は不明ながら、実況の松嶋桃(協会)も「和久津、祈るような表情!」と思わず感情移入。視聴者からは「寒いのでは」という指摘のほか、アガリがほぼなくなった状況に「かわいそう」「辛いわ」といった共感の声も寄せられた。
そのほかにも「乙女の祈り」「かわいい」「ギャップにやられる」「めっちゃ乙女」「キュンキュンした」と多くのファンをときめかせた和久津の仕草。だがさらにその数巡後、親の松本が4・7索待ちで追っかけリーチを敢行し、和久津は山に1枚だけ残った7索をキャッチしてしまう。松本のアガリはリーチ・タンヤオ・平和・ドラ2・裏ドラの1万8000点(+600点、供託2000点)。実況の松嶋も「なんでここに!?」と嘆いてしまうほど、和久津にとっては牌の巡りに恵まれなかった一局となった。
この放銃で箱下1万点台まで持ち点を減らした和久津は、オーラスに意地の跳満ツモで素点を回復するも悔しいラスで試合終了。しかし続く第2試合でチームメイトの茅森早香(最高位戦)がトップを獲得し、不運に見舞われた和久津のリベンジを果たした。いまだ苦しい立場は変わらないセガサミーフェニックスだが、レギュラーシーズンは残り36試合と逆襲の可能性はまだまだ潰えていない。次こそは和久津とファンの祈りが届き、鮮やかなアガリを決めるシーンが訪れることに期待したい。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)