美しい顔をゆがめ、男たちが疾走し、吠え、血を流す。SABU監督が生み落とした最新作『jam』は、スリリングな内容と高い娯楽性がミックスされた、期待高まる一作だ。出演は青柳翔、町田啓太、鈴木伸之の「劇団EXILE」の面々で、メンバー9名が総出演することでも耳目を集めている。
「ジャムのように混ざり合う」、そう例えられる映画『jam』において、青柳は場末のアイドル演歌歌手の横山田ヒロシとなり、熟女たちの気持ちを手玉に取りながらも、ファンのひとりに監禁されてしまう難役に徹した。ヒロシと交錯する運命をたどるのは、瀕死の重傷を負った彼女のために「何かいいこと」をすれば意識が戻ると信じ続けるタケル(町田)、刑務所送りにされたやくざに復讐心を持ち、単身でアジトに乗り込む狂犬・テツオ(鈴木)のふたり。