男女の区別がない将棋のプロ棋士育成機関である「奨励会」。編入試験という別ルートはあるものの、ほとんどの棋士がこの奨励会を経由して、プロの門をたたく。奨励会は三段までで、四段昇段を果たすと晴れてプロになれるが、年にわずか4人しかなれない狭き門だ。ここで奮闘する女性が年々増えている。かつて奨励会に所属していた伊藤沙恵女流二段(25)は、在籍時は高見泰地叡王(25)、佐々木勇気七段(24)、三枚堂達也六段(25)といった若き実力者たちと少年少女時代に、互角に勝負してきた。「タイトルを取らないといけない」と、強い自覚を持つ伊藤女流二段の目標は実に明確だ。