親に特定の信仰があった場合、その子に「信教の自由」はどこまであるのだろうか。
「“神を信じなさい。神の言われていることをきちんと守りなさい”と言われ、1日は神に祈るところから始まり、そして神に祈って終わる。それが当たり前で、周りが間違っていると思っていた」。
母親がある宗教に入っていたため、疑いを持つことなく2世信者の道を歩んできた黒川渉さん(仮名・31)は、物心がついた4歳の頃から集会に参加。規律で競争などが禁じられているため、小学校の運動会では応援合戦などを座って見学。6年生の時には自らの意志で団体の一員になり、卒業式では校歌を歌わなかった。