新型コロナ抗体、3カ月程度で減少の可能性 専門家「“免疫ができて次も大丈夫だ”とは言えない」
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 厚生労働省は6月、東京都と大阪府、宮城県で約8000人を対象に新型コロナウイルスの抗体検査を行った。その結果、2種類の試薬でいずれも陽性となった8人の抗体を調べたところ、ウイルスの感染を防ぐ免疫を持っていることがわかった。国内で免疫を獲得した人が確認されたのは初めてだ。

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 一方、イギリスのキングス・カレッジ・ロンドンの研究チームは、感染した65人を対象に抗体の量の経過を観察。すると、発症から約3週間で60%の人が強力な抗体を持つことがわかったが、3カ月を過ぎると17%に減少したという。多くの場合、抗体の量は約23分の1まで低下し、中には全く検出されなかった人もいた。

 日本でも抗体が消失したことを発表し話題になった人がいる。「僕の体には抗体がないことがほぼ確定となりました」と話すのは、新型コロナウイルスへの感染を公表しているYouTuberのふあんくん。5月に受けた抗体検査では「抗体の保持」が確認されていたというが、今月11日に再び検査を受けたところ「抗体が消失」という結果が出たという。

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 ふあんくんは自身のYouTubeチャンネルで「急に不安になりましたね。今まで抗体があるから再感染することはないと思って生活していましたが、抗体がないということでいつ再感染してもおかしくない体なんだなということがわかりました」と心境を明かしている。

 では、実際に抗体がなくなるということはありえるのか。専門家は次のように話す。

 「抗体が数カ月後には低くなってしまうということがひとつの特徴。あくまでも、検査で測定してもあまり測れなくなるくらいまで下がるということなので、2回目(の感染)は比較的抗体価が急に上がって、感染そのものは軽く済む場合が多いと思う」(国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授)

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 一方で、改めて新型コロナウイルスの“厄介さ”を指摘した。

 「『自分は1回罹ったから免疫ができて次も大丈夫だ』とは言えないということ。もう少し、3カ月だけではなくせめて半年~1年くらいは抗体価を持ってほしいと思っていた。3カ月というかなり短い期間なので、そういう意味では結構難しい感染症だなという意識」(同)

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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