先の見えない霧か、光が差し込まない分厚い雲か。将棋界の超トップクラスの棋士に数えられる豊島将之竜王(30)が、この夏まさかの不振に見舞われた。不振と言っても対戦相手が、渡辺明名人(棋王、王将、36)や永瀬拓矢二冠(28)といったタイトルホルダーが続いたこともある。ただ本人が「ここ2、3年はなかったと思う」5連敗や、10局で2勝8敗という期間には少々戸惑った。「原因が不明だったので、どう対処していいかわからなかった」とまで話した豊島竜王だが、いよいよ不振からの脱出を感じさせる強さが戻ってきた。