コワモテだけど実は…元空手王者の肩書をもつ“ギャップ萌え”ストライカー
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 好きな漫画は「ろくでなしブルース」。なるほどと思ってしまう。学生時代はきっと“やんちゃ”していたんだろうな……と邪推してしまうコワモテの風貌が、彼の特徴でもある。しかも、小学校高学年から中学2年まで続けた空手ではずっとチャンピオンだったというから、腕っぷしの強さも申し分ない……。

【映像】“ギャップ萌え”ストライカーの豪快すぎる反転弾

 彼の名は、相井忍。非常にカッコイイ名前だ。

 一方、彼はいまフットボールスクールの“しのぶコーチ”として、子どもたちに慕われている。まさにギャップ萌えだ。コワモテだけど実は優しい元中学生空手王者。そんな彼には、もう一つのメインキャラクターがある。フットサル選手だ。相井は、日本を代表するゴールハンターでもあるのだ。

■フットサル歴10年で日本人得点王になった男

 日本最高峰のフットサルリーグ「Fリーグ」に所属するシュライカー大阪のストライカーとして、相井忍は特異な存在である。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で遅れていたリーグが開幕したのは9月上旬だが、12日に行われた2試合目で彼は、ハットトリックを達成。チームを今シーズン初勝利へと導いた。

「素晴らしい!」「(打つ前から)ゴールのニオイがしましたね」

 試合を生中継したABEMAの実況&解説がそう伝えたゴールは、1-1で迎えた前半終了間際の勝ち越し弾。ゴールに背を向けて味方のパスを受けると、体の向きを入れ替える“反転シュート”でGKの股を抜いた。

 コワモテのギャップ萌えその2。味方からの祝福に屈託のない笑顔で応じる姿は、無観客試合のなか画面越しで観戦・応援するファンの心もつかんだ。「さすがだわ」「このパワーが忍さん」「ヘアバンド」などコメント欄には賞賛の言葉が並ぶ。と同時に、フットボールメーカーのヘアバンドがバカ売れしそうな一幕だ。相井は、ファンにもチームメートにも愛されている。

 その後も、“ろくブル”の前田太尊のような主役級の活躍をした相井だが、彼の能力からすれば驚きはない。

 相井は、4年前にFリーグの日本人得点王になった選手でもあるからだ。デウソン神戸でプレーしていた彼は、チームが12チーム中7位に沈むなかで孤軍奮闘し、ゴールを奪いまくった。当時は、リーグを席巻したブラジル人選手たちの影に隠れる形で注目されなかったが、相井の得点力がすさまじいものだということは明らかだった。事実、その能力を買われ、相井はその年の優勝チームである大阪へと移籍したのだ。

 もう一つ驚くのはフットサル歴の浅さ。1986年生まれで現在34歳の彼がFリーグ入りしたのは26歳。しかも、最初に加入したのは、現在リーグを13回中12回も制している名古屋オーシャンズだった。競技フットサルを始めたのが21歳。フットサル歴わずか5年で日本最強チームに加入し、それから10年もしないうちに、日本最高峰のストライカーとしてピッチに君臨するようになったのだ。そしてさらなる高みへ。

 相井が初めて日本代表候補合宿に呼ばれたのは31歳のとき。30歳を超す選手の初招集は異例中の異例のことだった。こうしたエピソードから明らかになるのは、その存在が多くの人の希望ということだ。

 30歳を目前に控える人には、夢に向かうチャレンジ精神を見せ、30歳中盤で将来に迷う人には、まだまだやれるという勇気を与えてくれる。コワモテながら実は優しい元中学生空手チャンピオン。そして、日本最高峰のフットサルプレーヤー。見る者に夢を与える男、相井忍からますます目が離せない。

文・本田好伸(SAL編集部)

写真/高橋学

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