コロナ禍で「日記」に再び脚光? 「自分を見つめ直すことで前に進める」
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(6枚)

 緊急事態宣言の出された4月をどう過ごしたか、医療従事者、教師、専業主婦など、様々な仕事に就く77人が日記形式で綴った本が話題を呼んでいる。また、東京・下北沢に同月、全国津々浦々から集められた日記専門の本屋「日記屋・月日」がオープン。書棚には『紫式部日記』などの古典から、お笑いコンビ・EXITのりんたろー。が号泣しながら読んだという『芸人交換日記』など、日記にまつわる本がズラリと並んでいる。

・【映像】再燃する"日記ブーム"綴ることで心の豊かさに? 

コロナ禍で「日記」に再び脚光? 「自分を見つめ直すことで前に進める」
拡大する

 ネット上にも、手書きの日記をSNSにアップしたり、「note」を利用する人が増えたり。なぜ今、日記なのだろうか。日記屋・月日の店主・内沼晋太郎氏は「戦争や政治不安など、世の中に大きな変化があった時は、自分の気持ち・考えの変化が大きく、そういう時期こそ、気持ちを記録しておくことに意味がある。今後の人生の豊かさのために、過去を振り返るためにも日記は重要だ」と話す。

 「世の中が右肩上がりに成長していくということがなかなか考えづらい時代になってきている。未来だけ、前だけを見て進んでいくというよりも、現在や過去を見つめ直して言葉にして生きていく方が、足元の部分が豊かさになるのではないか」。

コロナ禍で「日記」に再び脚光? 「自分を見つめ直すことで前に進める」
拡大する

 また、1400冊以上の手帳や日記を蒐集、1時間1000円で閲覧することができる「手帳類図書室」を運営(現在はコロナにより営業休止中)する手帳類収集家の志良堂正史氏は「僕のところに集まっている日記や手帳を見ると、学生時代の時間がある頃の記録が多い。やはり時間がある時に自らと向き合い、記録を残したくなるというのが人の心理にはあるのではないか。コロナ禍で自分でもコントロールしきれないような気持ちがめくるめくやってきたというのと、自粛で時間ができたということが大きいのではないか」との見方を示す。

コロナ禍で「日記」に再び脚光? 「自分を見つめ直すことで前に進める」
拡大する

 日記を書くことには心理的にどう影響するのだろうか。婚約者を亡くした経験を持つライターの中川淳一郎氏は「その人と過ごした5年間の記憶を全て書こうと、7カ月くらい、毎日彼女のことを書いて、10万字くらいになった。これ以上書くことがないというところまで書ききったら、自分が救われた感じがした。それは今も家にある」と明かす。

コロナ禍で「日記」に再び脚光? 「自分を見つめ直すことで前に進める」
拡大する

 明星大学心理学部の藤井靖准教授は「出来事だけではなく、それに付随する感情を書き留めていくことで自分を客観視できたり、人生を形にできたりする。それによって前に進めるという機能がある。僕たちもカウンセリングの記録を付けてもらったりする時には、日記に近いものを書いてもらう。“1行でもいいから”“一言でもいいから”“どうしても書けない場合は、書かなくてもいいです”と言って紙だけ渡していると、逆に書きたくなってくるという効果もある」と話す。

コロナ禍で「日記」に再び脚光? 「自分を見つめ直すことで前に進める」
拡大する

 「ストレス解消や自尊心を高めるためにも、1分~20分くらい日記を書いて、それを3~5回くらい繰り返すと良いという知見もある。このコロナ禍で自分と向き合い過ぎてしまう部分あるとは思うが、ネットを使えば発信もできるということで、良いバランスになるのかもしれない」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

再燃する"日記ブーム"綴ることで心の豊かさに? 
再燃する"日記ブーム"綴ることで心の豊かさに? 

■Pick Up

【Z世代に聞いた】ティーンの日用品お買い物事情「家族で使うものは私が選ぶ」が半数以上 

この記事の写真をみる(6枚)