PS5予約販売の高額出品に「転売ヤー許せない」 “アマゾン転売屋ブラックリスト”の開発者を直撃
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 9月21日に公開された、Amazonの転売業者をブラックリスト化するツール、その名も「アマゾン転売屋ブラックリスト」。公開されるやTwitterでトレンド入りするなど反響を呼んでいる。

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 仕組みは、Amazonのサイトでこのツールを起動、自分が転売だと感じた業者をブラックリストに登録すると「転売ヤー」と表示されるというもの。リストには「セラーID」が登録されるため、出品者が名前を変えても対応可能だという。また、自分が作成したリストをネット上に公開し、共有することも可能だということだ(※リスト作成時はログアウトしたほうが安全)。

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 このツールを開発したのは、現在香港に住む2児の父親で、フリーエンジニアの秀(ひで)さん。『ABEMAヒルズ』は秀さんに話を聞いた。

 「『“いいね”が500になったら作りましょうか』と言ったら、4、5時間くらいですぐに突破してしまったので。500集まったのが午前1時くらい、プログラム自体は1、2時間で書きあがって、リリースが午前7時」

 “いいね”が集まってからわずか6時間でリリースしたという秀さん。作成を考えたきっかけは、先月始まった「プレイステーション5」の予約販売で高額出品者が相次いだことだった。

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 「桁をまるまる1個変えて、みんなが勘違いして買うように誘導して販売をしている転売ヤー許せないじゃないですか。さらにキャンセルの場合は『迷惑料7万円とります』と書いてあって、それを見ていてかなり頭にきて思わずやってしまった。深く考えていなかったけど、むしゃくしゃしてやった」

 一方で、今後の課題についても語った。

 「一番の問題になるのは、誰のリストが信用できるのか。例えば、フォロワーが2人しかいない、昨日作ったアカウントでリストを出されても、それが本当に転売ヤーを撲滅するために作られたリストなのか。転売ヤー自身が善良な販売者の店舗をリストアップして、営業妨害をしようとしているのかがわからない。なので、『私はこうやって転売ヤーをリストアップしています』ということを出していただいて、この人は信用ができるとなって新しいフォロワーが増えるような、インフルエンサーの中の新しい種類の1つになるんじゃないかなと。“転売ヤー撲滅インフルエンサー”というやつです」

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 一般ユーザーがこうしたアプリを開発したことについて、SNSや性格診断サービスをプロデュースしてきた元IT起業家で作家の関口舞氏は、「『Nintendo Switch』が買えなかった時も一時期9万円台になっていて、価格推移サイトを見ても日々値段が下がらなかった。転売目的で最初から買い占めをして、本当に必要な人に届かないというのは、本来ならAmazon側が防いでいく必要があると思う。しかしなかなか動いてくれない中で、こういった方が抑止力になっていただけるのはありがたいこと」と話す。

 一般ユーザーが作れるのであればAmazonにも開発できるのではないか。「こういったシステムはもちろん作れると思うが、正直言って転売でAmazon側が損をしているわけではない。『転売は嫌だ』と大量に退会する人が出れば動くかもしれないが、そうは言っても結局使う人が多いので、残念ながらAmazon的にはそこにコストをかける必要が出てこないと思う」との見方を示した。

 では、どうすれば悪質ユーザーを取り締まれるのか。関口氏は「実際にサービスを開発した身から言うと、取り締まるのは結構難しい。システム上でわかる明らかな違反、明確な暴言などは簡単に取り締まれるが、グレーゾーンのものは人間が直接見て判断しなければいけないので、コストがかかってきてしまう」とした上で、「今売上に影響を及ぼしていないのであれば、その分のお金を広告費や他のことにつぎ込むほうが会社は儲かって行くので、後回しにしてしまうのではないか。やはりこういったことは運営する企業に頑張ってほしい」と訴えた。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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