女子高生が性の悩みや疑問に体当たりする、ABEMAオリジナルの連続ドラマ『17.3 about a sex』。第7話ではIT技術の進歩を悪用した憎き性犯罪の実態と、多感な娘と父親の不器用ながらも真っ直ぐに紡がれる絆と親子愛を感動的に描き出す。
▶︎動画：女子高生の娘に痴漢した犯人を捕まえようと父親が奮闘 『17.3 about a sex』で描かれる不器用な父娘愛
恋愛感情を持たないアセクシュアルの紬（田鍋梨々花）は、通学中に卑猥な画像がスマホに送られてくる“サイバー痴漢”の被害にあう。友人の康太（藤枝喜輝）や親友の咲良（永瀬莉子）と祐奈（秋田汐梨）には相談をするのだが、父親の光男（矢柴俊博）には「言うわけないじゃん！基本話すのもイヤだから！」として被害を隠す。
愛娘の紬がアセクシュアルとは知らない光男は、紬を平均的な年ごろの娘として扱い、恋愛や結婚について期待をするような言葉をかけてしまう。それが紬には負担。まるでアセクシュアルである自分の存在が否定されているように感じるからだ。窮屈な家から飛び出したい一心の紬は、大学の奨学金ほしさにスピーチコンテスト出場を決意する。
親子関係がぎくしゃくする中で、光男から「あれか？付き合ってるのか？」と康太との仲を茶化された紬はついに「恋愛とか全く興味ないの！そういう人間なの！いい加減ほんっとうんざりだよ！」と大爆発。スピーチコンテストで優勝して独立する考えがあることを吐き捨てるように告げる。
スピーチコンテスト会場に向かうバスの車中で、紬は生理のために貧血で倒れてしまう。「もう女なんかやめたい！自分は子供を産まないのに生理なんて意味ないじゃん！」と生理という女性ならではの現象に落胆。病院に運ばれてしまい、スピーチ大会には時間的に行くことは不可能だ。ところが落胆する紬のもとに、スピーチ大会参加OKの知らせが届く。一体なぜ!?
なんと紬の父親・光男が、苦しんでいる紬の現状を訴えて交渉。例外的に大会に参加できるようにしてくれたのだ。実は紬がバスで倒れた際も父親はそのバスに乗り込んでいた。なぜか？事前に康太から愛娘の痴漢被害を聞いて、憎きサイバー痴漢犯を捕まえようとしていたからだ。
光男の熱い想いを知りながらスピーチに臨む紬。事前に用意していたアセクシュアルとしての生きづらさを訴えるスピーチに付け加える形で、今回の一件で初めてわかった父親や友人たちの支えに感謝するポジティブな言葉で締めくくる。
お互いの理解不足からぶつかってしまう父娘（おやこ）の姿は、年頃の娘を持つ父親ならば誰しもが共感度マックス。まだ子供だと思っていた娘を一人の人間として認めたとき、二人の関係は新しい境地へと進む。どんな性指向を持っていようが、愛娘は愛娘。そんな愛娘を守りたい一心でネカマと化して“サイバー痴漢”の囮になる光男の不器用なまでの真っ直ぐさは胸を打つ。親子関係を見つめ直す機会を与えてくれる感動回だ。
